キャロット!キャロット!キャロット!

 ぴかぴか光る銀色ボウル、小麦粉にタマゴと水を入れたら、よーくかき回して。かちゃかちゃリズムはサンバのリズム、ふんわりふんわりおいしくなーれ。そしたらニンジンさんをすり下ろそう。ウマもウサギもワタシだって大好きニンジンさん。ボウルに混ぜたら華やかオレンジ、太陽みたいな明るいオレンジ。焼いたら何ができるのかしら、お母さん?きっとおいしいキャロットケーキ!
 ―お好み焼きである。思わず脳内少女漫画装置(初期の萩尾望都か?)が動き出してしまったが、お好み焼きだ。ニンジンはスライスしても火が通るのに時間がかかり厄介なので、すり下ろして生地に混ぜたのだ。しかし、なんだ、生地にニンジンを混ぜたら、カラシ明太子をぶちまけたような色になった。火を通したら、カレー風の色だ。生地に何かを混ぜるというのは、アボカドという先例がある。そしてまた同じ過ちを繰り返した。混ぜ物が多すぎて、生地の成形がままならない。カラッと焼き上がらず、湿った感じ。しかも、味に影響があるわけでもなし。ただ、野菜嫌いのお子さまも思わず昇天。大一枚小二枚。