「報道ステーション」

 「復興すすむプーケット あこぎな商売まで……」というテロップ。放送されたのは、早くも欧米の観光客が楽しむビーチ、災害時の被害を收録したCD-ROM販売、被災した鞄や服などを売るマーケット、日本人が経営する飲食店、である。この中で、強いて「あこぎ」というならば、テレビの映像などを集めただけというCD-ROMだろう。それ以外は、復興に向けて頑張る人々の姿だ。「この鞄などは私たちの同志だ」という人や、目に涙を浮かべながら復興への決意を語る人。それらの右上に「あこぎな」と出し続けるのは、いかにも酷い手落ちではなかろうか。ついでに言えば、CD-ROMだっていいじゃないか、と思うのだ。観光客が金を落とせば、それだけ復興が進むし、普段の生活への第一歩にもなろう。それを、被災もしていない東京から「あこぎ」扱いとはいかがなものか。
 ……などと、別に私が書かなくても誰かが書くであろう、ありがちな「報道ステーション」批判をしてしまうのも、仕事からの逃避である。勝手に逃避行をするならいいが、「報道ステーション」を批判して討匪行気取りなのだから、我ながら始末に負えない。