駄菓子屋の思い出

goldhead2005-03-12

 昨夜、帰りがけにセブンイレブンに寄った。うまい棒十五種類セットが売られていた。最近、どこかでそんな話を読んだ覚えがあった。口もされていない透明のビニール袋に、色とりどりのうまい棒が無造作に詰め込まれている。百五十円という価格もあって、思わず買ってしまった。
 今朝、行きがけにセブンイレブンに寄った。また、上手い棒十五種類セットが売られていた。思わず買ってしまった。買ってきて、会社のお菓子箱に流し込んだ。
 しかし、俺がうまい棒になにか思い入れがあるかといえば、それほどあるわけでもない。ただ、袋に詰まったようすに駄菓子屋を思いだしたのだ。雑然とした店内、安くて得体の知れない駄菓子、奥の方に積み上げられた古いプラモデル……。
 今にして思えば、小学生のころ入り浸っていた駄菓子屋は、まさに絵に描いたような駄菓子屋であった。『こち亀』にそのまま出てくるような駄菓子屋であった。ちゃんと
こすっからいオッサンが店主だった。何作目だったか、貴重なドラクエ仕入れてきて、きちんと抱き合わせ販売なんかもしてたっけ。俺は今二十六歳だけれど、世代的にぎりぎりの、なかなか貴重な体験だったかもしれない。
 店の名前は「信州屋」といった。腰越中学校の近くにあった。今はもうアパートか何かになっている。俺はメンコもしたしベーゴマもやった。駄菓子を食ってガチャガチャをやった。どんどん焼きやフェリックスガムやコーラ飴を食った。チューブに入った得体の知れないゼリーを食った。俺がうまい棒に思い入れがないのは、信州屋の品目になかったせいかもしれない。