準決勝羽生善治四冠対森内俊之名人

 途中から見たのだけれど、相振飛車になっていた。銀損のところから先崎が言うところの「実戦的な手」で羽生が押し切った。しかし、公式戦でやり合うのだからこれ全て実戦なわけで、「実戦的な手」ってのは変な言いまわしだよなぁ。けど、それに輪を掛けて変なのは、俺みたいな「棋力」の「棋」の字の「もくへん」すらない俺ですら、それの意味するところが何となくわかることだ。他に、森内が自陣近くに打った角をして「保険を掛ける一手」だとか、将棋に関わるいろいろな言いまわしってなんか好きだな。「詰めろ」(発音は‘め’ではなく‘つ’にアクセントを置いて、平坦に)なんて言葉も、なんか妙にキュートだな。などと、局面と関係ないあたりに楽しみを見出すのがミーハーファンもどきだ。盤面で行われている事柄については、ただただ神々の妙技に息を呑んで見つめるばかりなのである。