モリゾーとキッコロは太陽の塔の夢を見るか?

http://www.yomiuri.co.jp/main/news/20050322i515.htm

杉山さんは「3日前で無理かと思ったが、だれもいなくてラッキーでした」と話していた。

 三日前から並ぶ人がいるとなると、万博について悪いことを書くのも気が引ける。と、思いきや、杉山さんは「一番乗り好き」の方の人みたいなので、気にしないで書くことにする。
 俺は今度の愛・地球博こと愛知万博が気に入らない。万博はもっと「科学万歳!技術の進歩万歳!我が国の技術力は世界一!」を前面に押し出す場であるべきだと思うのだ。「自然の叡智」とか言ってくれるなと。そんなに叡智が見たければ、そこら辺の森にでも行けばよろしい。それにこの会場、ちゃんとした森があったところを削ったり削らなかったりで、より一層エコ色が強まってるように見える。元は新住宅地建設のためだったというが、そんなのどっかセントレア空港の横にでも馬鹿でかい埋め立て地を作ればよかったんだ。で、人工的な埋め立て地の上で二十二世紀の夢を見ればよかった。今どきマンモスもないだろう。
 とはいえ、ここでふと思ったのだが、もうその夢自体が少なくなってきているのかもしれない。俺が子どものころに夢見られていた二十一世紀は来なかった。すなわち、銀色のつなぎを着て、エアカーでチューブ状の道が走る立体都市を駆けめぐる世界は来なかったのだ。確かに今でも五年前、十年前から比べたら格段の進歩だ。ただ、何か夢がない。あっと驚くパラダイムシフトがない。いきなり完成品が出てくるわけではないのも当然なのだが、ロボットだって常識的な範囲で見えてきてしまった。ちょっと前から見れば十分SF的な世界に住みながら、こんな文句を言うのは無い物ねだりだろうか。
 まあ、科学発展方向の行き着いた先が「地求愛」ってのもわからないわけじゃないのだ。なんだろう、この俺の「万博」へのバイアスは。そこらへんは自分でもよくわからない。