値崩れキャベツ無情

http://www.iwate-np.co.jp/economy/e200508/e0508266.html

 全国的なキャベツの価格低迷を受け、県内最大の産地、新岩手農協(田沼征彦組合長)管内の農家は24、25の両日、収穫を控えたキャベツを廃棄処分した。

 数日前のワイドショーだったかニュースだかでも見たが、値崩れでキャベツがつぶされている。工業製品と違い、天候その他不確実な要素があるので、「完成した後に調整」となるのは致し方あるまい。……とわかっていても、映像を見てしまうと「もったいない」と思うし、農家の人だって「せっかく育てたのに処分するのは忍びない」のであった。
 もちろん、消費者としての私も値崩れしたキャベツをゲットした。ぎっしり重く葉の詰まったやつで、それが百円なのであった。というわけで、ここ数日久々に毎日お好み焼きのを食べる毎日。けど、なかなかキャベツは無くならない。一人暮らしでキャベツ一玉を消費するのは、ちょっと大変なのだ。だから、割高でも半分になったやつを買うこともある。さまざまな市場の影響などもあろうが、台所ミクロの視点では、そんなキャベツ自体の特性も無縁ではないかと思うのだ。テレビでも主婦がインタビューに答え、「レタスはサラダにしやすいけれど、キャベツは千切りにするのがめんどくさい」と言ってたっけ。
 昨夜はレトルトのカレーにした。お好み焼きばかり食べていては、米を炊かない。米を炊けなければ、豚の角煮が作れない、という連鎖である。しかし、こうなるとキャベツが余る。俺は贅沢をして、レトルトカレーにキャベツのおかずを付けることにした。しかし、どうしよう。ただ切ってマヨネーズでは詰まらない。しかし、ガスは使いたくない。
 とりあえず大雑把に千切り(矛盾してるかな?)。とりあえず耐熱容器に投入。うーん、どうしよう。とりあえずそばつゆ、とりあえず酢、とりあえず醤油。とりあえず加熱。一口食べてみる。む、酸っぱさがちょっとだけピクルスとかを思わせる。三分やったら硬すぎず軟らかすぎず、歯ごたえも案外悪くない。……というわけで、ごはんが炊ける前にちょっとした量を食べきってしまった。
 しかし、「これでキャベツの使い道を見つけた。値崩れドンと来いだ」とはならない。これだけでは流石にメーンのおかず足り得ず、メーンに足り得ぬおかずは贅沢であり、贅沢は敵なのだ。いや、肉や他の野菜を投入すれば、メーン足りうるか。というか、別に具だくさんのコンソメスープにでもしてしまえばいいのだし、あるいは野菜炒め的な何かもあり得るか。
 今後も市場価格と冷蔵庫の収容可能量の推移を委細検討しつつ、キャベツ購入による食生活の必要限度内に於ける健全化に関して、早急かつ慎重に脳内議論を重ねていきたいと思う。