見沢知廉が死んだ

http://www.excite.co.jp/News/society/20050908113900/20050908E60.039.html

 獄中をリアルに描いた小説「調律の帝国」などで知られる作家、見沢知廉(みさわ・ちれん<本名・高橋哲央=たかはし・てつお>)さんが7日、横浜市戸塚区の自宅マンション8階から転落し、死去した。46歳だった。神奈川県警戸塚署は飛び降り自殺とみている。

 これにはびっくりしてしまった。と、同時に、自殺しそうなタイプとは思えなかった、とは言えないというのも正直なところだ。と、書くのは不謹慎なのかどうかはよくわからない。
 とはいえ、俺が読んだ見沢知廉の本はあまり多くない。最近の活動についてはさっぱり知らない。まず読んだのは、別冊宝島の刑務所物に書かれた短いルポだったろうか。その後、『囚人狂時代』(ASIN:4101473218)を手に取り、次いで『獄の息子は発狂寸前』(ASIN:4915977374)を読み、『天皇ごっこ』(ASIN:4807495291)に至った。すべてハードカーバーで新刊を買っていたので、その頃ちょっと入れ込んでいたのかもしれない。そして、意外にも俺が刑務所への淡くでたらめな憧憬(id:goldhead:20050825#p1)をはっきり認識したのは、これら見沢知廉の本によってであった。花輪和一が描く刑務所の中どころではないのに。後は、今は亡きバカ雑誌「GON!」などでたまに見かけていたっけ。刑務所話のほか、精神薬などについての記事などがあったように思う。あと、自らの殺人現場に出向いて供養(記憶が曖昧だが、ストリッパーを連れて行っていたような?)などという企画もあったかと思う。
 そうだ、俺は見沢知廉の本を、ほとんど刑務所の見聞録と、「GON!」のような奇抜な世界としてしか読んでいなかったのかもしれない。公安のスパイを粛清して刑務所へ入った、一風変わった新右翼として。今再び、一つの物語として読み返してみようか。思えば、『調律の帝国』も気になりながらも買っていなかった。さみしい話だが、これを機に。