『花鳥風月の科学』松岡正剛

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 私が本書の中にあえて科学的な話をはさんだのは、花鳥風月という感覚的な対象に科学的な根拠を与えたかったからではありません。むしろ科学にも、花鳥風月に通じる感覚や思考がひそんでいることを伝えたかったのです。

 一週間以上に前に読み終えた本。その後に読んでいる本にも通ずるところがあり、まとめてメモしようかと思ったが、今後接するであろうあらゆるものの見方に影響しないでもなく、いつまでたってもキリがないので、今、ここでメモしておく。
 『花鳥風月の科学』というタイトルからは、「花鳥風月を科学のメスで解剖する」というような印象を受ける。が、もちろんそれに留まる本ではないし、この著者でもない。膨大な古典への造詣と科学知識が絡み合いながら日本の文化の流れをすくい上げ、意識とイメージの発生を探り、最後には月に飛ばされるような、そんなダイナミックな本なのだ。
 実のところ細々と取り上げてああだこうだ印象を書き付けておきたいが、忙しいのでいつかにする。とにもかくにも、あいまいな「イメージ」でしかない日本語や日本の文化について、いろいろと顧みて考えなければならない。そんな気になり、今後読もうと思う本の幅が多少広がってしまった。そんなところだ。
 あと、松岡正剛椎名林檎のファンであった。それをメモしておく。