カツ代のせがれの言うことは正しかったよ

 僕が安心して見ていられるテレビ番組というのは二種類しかない。一つはテレビ東京の旅番組、もう一つが教育テレビの料理番組。もう、この二つだけで、後はいろいろ気になってしまって、心がやすまらないんだ。それで、こないだ、深夜の教育テレビで料理番組をまとめて流してて、思わず見てしまってね。
 その中で、小林カツ代の息子のケンタロウがフライパンで鶏のブロックを焼いていてね、仕上げに意外なことをしたんだ。菜箸でキッチンペーパーを挟んで、焼いてるそばからどんどん脂を拭いていってしまうんだな。それで、フライパンをきれいにしてしまうと、今度は鶏肉自体を拭き始めたんだ。これが皮をパリッと仕上げるコツだっていうんだ。最後にまたサラダ油を垂らすのがちょっと不思議なんだけど、鶏肉をふやけさせるのは、脂分よりむしろ水分ってことらしい。この様子を見た僕は、もう、今すぐにでもスーパーに行って鶏肉を買ってきたい、そんな風に思ったな。
 というわけで、昨夜やってみた。今まで、そんなに何度も焼いたわけじゃないけれど、鶏肉の脂には難儀してきた。とにかくどんどん出てくる。けれど、「ひょっとしたらこれがうまみ成分かも?」とか思って、お皿に移すときに控えめにペーパーに吸わせるくらいだったんだな。もちろん、パリッといかない。そこで、この方法の登場というわけだ。でもね、正直に言うと、あの菜箸にペーパーを挟んで拭き拭きするのがやりたかっただけなんだ。
 それで、やってみたさ。もう拭いて拭いて脂も水分も拭き取ったね。仕上げの油も入れてみたさ。それで、これがパリッとなってて大成功というわけ。料理のあとのフライパンもあまり汚れていなくて、思わぬ副産物って感じかな。というわけで、鶏肉食いながら、小林カツ代の快復(http://www.zakzak.co.jp/gei/2005_10/g2005102006.html)を陰ながらお祈りしたという次第だったってわけだ。