新シルクロード・西安

 ドカーンの後に山南さん、すなわち堺雅人なんだもの、そりゃ見てしまいますよ。いや、そんな『新選組!』要素を無視しても見たかもしれません。なにせ大唐帝国の都である長安が取り上げられていたのですからね。もちろん、留学僧であった空海がらみの本で当時の唐に興味を持ったわけでして。果たして世界帝国の都たるや、いかなるものであったかというわけですよ。
 というわけで、やはり昨夜のNHKスペシャルでも、シルクロードだけに諸外国人がいかに訪れていたかって話していましたね。そう、阿倍仲麻呂吉備真備も帝国の中枢に上り詰めた。ここらあたりの一端は、『天平の甍』(http://d.hatena.ne.jp/goldhead/20051115#p2)に記されていました。そうだ、この小説にも中国に渡ったさまざまな日本人の姿が描かれており、その一人が‘井真成’だったのでしょうね。。さらには、『曼陀羅の人』(http://d.hatena.ne.jp/goldhead/20050830#p2)も、さまざまな文化風習の混じり合う唐が描かれていました。イスラム教徒の信仰を認めて、皇帝に拝さずともよしとしたエピソードは印象に残ります。
 そうですね、その度量というやつが肝心です。今の中国といえばさまざまな問題を抱えていて、あるいは日本にとって好ましくない部分も大きい(このNHKスペシャルなど、取材協力をしてもらわなきゃならんせいか、ほとんど中国の提灯番組のようなところもあって、そこはちょっとおもしろくない)。しかし、西安の人々がかつての長安を誇りに思うように、大国の徳風を取り戻してもらいたいもの。
 え、それでは日本はかしずかなきゃならんのか? ということにもなりましょうが、そんなのは心配ご無用。向こうが中華ならこちらは‘葦原の千五百秋の瑞穂の国’にして‘日出る国’、‘日の本’だとふんぞり返ればよろしい。水戸学派なんて、日本こそが大日如来のおわす世界の中心だと、中華の中を日本に移してしまったくらいのものです。まあ、そうやってお互い徳風吹かし合う方が、建前だけの友好を謳うよりいいんじゃないでしょうか。だいたい、朝貢貿易なんてのも、貢ぎ物を受けた方は、その威光を示すためにそれ以上のお返しをしなきゃいけなかったとかで、あまり朝貢に来られちゃ困るなんて話もあったようですしね。
 で、何でしたか、西安。再びかつての市場をと、大再整備事業をやってるようですね。その総工費たるや500億円。……私、あまり高額の話の想像などつきませんが、こないだ操作ミスで吹き飛んだみずほ証券の300億円からすると、これはどのくらいのものか、ますますわかりません。しかしまあ、さすが一党独裁国家、住民立ち退かせるのもあっと言う間。立ち退きを要求するスピーカー付きの車を見ていたら、何やらサイバーパンクを思い出しましたよ。西安もやがて電脳都市になっていくのでしょうか。日本がサイバー具合で後れを取るのはつまらないので、とりあえず千葉あたりを『ニューロマンサー』くらいの街にしてみてはどうかと思います。よくわかりませんが。
 そうだ、なんでしたか。シルクロードでしたか。胡人ですね、胡姫の舞。胡は広く西域民を指す語ですね。胡座もそちらから伝わってきた座り方だ、なんて話もどこかで読みましたが、どうなのでしょう。あ、とるすると、唐より遥か昔の三国時代に出てきた胡車児、胡赤児なんて、まさに西域から来たかなんかした傭兵だかなんだか見たいな人だったかもしれません。そういえば、昔、反町隆史が信長をやった大河ドラマで、黒人の家来がいましたっけ。ようやく大河ドラマまで話を戻せました。ドカーン。