サブマリン梅津

http://www.sponichi.co.jp/osaka/ser2/200601/17/ser2189255.html

 “赤いナベシュン”がベールを脱いだ。梅津が合同自主トレ初日にブルペン一番乗り。横手からさらに腕を下げた下手の新フォームで30球を投げ込んだ。昨秋に挑戦した際には脇腹痛で一時断念したものの、年末年始に国学院大の先輩、ロッテのサブマリンエース・渡辺俊介から投法を伝授された。

 広島東洋カープ背番号39番・梅津智弘。大型(身長)サイドスロー投手として、ルーキー年ながら防御率二点台をマークし、一時期はその突出した安定感(崩潰したカープ投手陣にしては)で、勝利の方程式の一翼を担ったと言ってもいいだろう。
 その梅津が、フォーム改造に挑戦するというのだがこれはすごい話である。一年間一軍で安定した活躍をしたわけじゃないが、はっきり言って去年のペースを保てれば、少なくともカープにあっては主力投手の一人でいられるだろう。だが、それには飽きたらず、さらに上を目指そうという心意気。しかも、目指すのが絶滅危惧種のサブマリン投法なのだから拍手喝采、手放しに誉め称えたくもなる。軟投派で、長身を活かした彼にぴったりの選択でもあろう。
 が、今はまだ「称えたくなる」止まり。誉め称えるのは、真のサブマリン投手として大活躍したとき。しかし、やはり、プロとして突出した一つの技を手に入れてやろうという意思、その心意気だけは「あっぱれ!」のシールを貼りたくなるようなニュースなのであった。