野宿者vsホームレス

傷害致死>野宿者死亡でホームレス2人を逮捕 警視庁
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060130-00000040-mai-soci&kz=soci

2人は石沢さんとホームレス仲間で「一緒に酒を飲んでいるうちにけんかになった」と容疑を認めている。

 見出しを読んで普通どう受け取るか。「たまたま終電に乗り遅れたか何かした人が野宿していたら、ホームレスに襲われたのか」と思うのが普通ではないか。少なくとも俺はそう思った。しかし、本文を読んで驚いた、加害者も被害者もホームレス仲間、すなわち同じホームレス。見出しは「ホームレス死亡でホームレス2人を逮捕」と言ってるのと同じこと。

  1. 被害者にホームレスという言葉を用いることのできない内規がある。
  2. ホームレスがホームレスを……という言葉の重複を避けたかった。
  3. 死亡した被害者に関しては生前の生活状況などについて現段階で明かではないため、発見された現場の状況にとどめた。
 新聞などを読むにあたって、不自然な表現はまず1.を考えなければいけない。が、しかしこのケースはどうだろう。ホームレスは乞食や浮浪者、ルンペンなどを表現するに一番差し障りのない用語のはずだ。さらに、野宿者という言葉とホームレスの差し障り無さ度を比べ、野宿者>ホームレスとは限らないような気がしてくる。
 となると、うまく見出しをまとまらないという、技術的要因による2.だろうか。なるほど、これはなかなか難しい。「ホームレス殺人」という語からは、どちらかといえば「ホームレス狩り」的イメージが強く使いにくいし、「ホームレス同士のけんかで一人死亡二人逮捕」ということを伝えようとするのは欲張りすぎで冗長になる。
 あるいは、3.のケース。実際に被害者がホームレスだとしても、一時的に野宿の人という可能性を残した表現。あるいは、被害者に関しては被害状況を表現したい、とか。「歩行者死亡で……」、言わないか。わからん。ここまでくると(というかスタートからして)もうわからない。
 というわけで、無駄なことに頭を使った。三連単で買うなら2-3-1というところだが、当然これ以外の出走馬がいる可能性が高く、また、それらが勝つ可能性の方がずっと高いだろう。