HERO’S 2006 開幕戦のメモ

goldhead2006-03-16

http://sportsnavi.yahoo.co.jp/fight/other/live/200603/13/index.html
 昨日はROMANEX、じゃなくてHERO'Sを見るために、とっても忙しいのに仕事早く切り上げて帰っちゃいました。だってカシン様の試合見たかったんだもん。もしもカシン様の参戦が無かったら、正直あーんまり興味ない大会だよね、昨日のヘロスは。
 それでやっぱり、この日一番力を入れて見たのはカシン様と秋山成勲の試合ってことになるかな。カシン様へのひいきと、秋山へのアンチ感情を抜きにしたら凡戦もいいところだったかもしれないけど、わたしは感情抜きの存在じゃないからしかたないよね。
 それで、マスクなしの石澤常光スタイルで登場だったカシン様。やっぱり総合格闘技のリングの上は別物って割り切ってるのかな。そのあたりの哲学ってほんとに個人個人の人間哲学だと思う……。でも、、もしも谷川貞治プロデューサーが「ケンドー・カシンスタイルでやってくれ」と言ったら、そうしたのかな? わたしはちょっとだけ、それに期待していたんだ。プロレスらしいムーブや、いっそのこと反則攻撃。何もかもすっとぼけて大会全部をおちょくっちゃうような感じ。まあ、それはたぶん石澤さんの望むことじゃなかったんだろうと思う。
 で、結局試合の方は、すごいブランクと準備不足のプロレスラー系総合格闘家って感じになっちゃって、やっぱり総格本業の秋山とやるには無理があったってところかな。それでも、けっこういいパンチ貰ってるのに折れなかったところは意地だったと思うな。けど、頼みの綱のタックルも迫力不足で、腰の強い秋山には効かないのはちょっと悲しかった。
 うーん、それにしても秋山。1Rは打撃中心でいって、2Rになったらあっさり投げから袖車絞め。これからわたしが言うのは‘ケチをつける’そのものだと断っておくけど、まったく面白くないことするよね。打撃にこだわるっていうのなら、打撃で最後までやればいいし、もしもあっさり決めようっていうなら1Rから秒殺狙っちゃえばいい。そりゃね、急なマッチメークの変更は秋山にとってもやりにくい話だと思う。それでも、やはり試合として成立させようって、盛り上げようって気持ち少ないかなって。昔、プロに転向する前に「アントニオ猪木と戦うのが夢」って言ってたから、てっきりショーマンシップもあるのかと思っていた(アントニオ猪木=プロレスって単純な存在じゃないから簡単には言えないのだけど)のに、これは案外だったな。
 何度も言うけれど、わたしが秋山を嫌いなのは、マッチメークによるところが大きくて、一概に秋山個人のせいとは言えないとはわかってる。でも、明らかに有利な面のある試合でも、見せ方ってものがあるんじゃないかと思う。やっぱり、その辺で相手を光らせることもできないのはマイナスなのだ。ひょっとして格上とガンガンやりあったら、すごくいいところ出てくるかもしれないし、少なくともそういう期待を抱かせる肉体の持ち主とは思う。このままじゃ、本当に持ち腐れになっちゃうと思うし、今のところ腐れになりかけていると思うのだ。
 ……と、そんなわけで、後はそれほど熱中するような試合、というかマッチメークは無かったかな。もちろん、宇野薫対リッチ・クレメンテは総合らしい試合になっていてよかったけれど、あとは正直よくわからない感じだった。そのよくわからなさは、あのどう見ても誇大広告的な煽りのせいだとも思う。みんな最強、最強でなにがなんだかわかんなくて、その分野の人からすると本当の大物だとしても、こっちはぜんぜんわかんないもの。えーと、それでも他の試合の印象もメモしておこう。地上波と少々のネットで、ちょっとずつわかんなさを埋めていくのもいいかとか思うし。
 ジェロム・レ・バンナジミー・アンブリッツ。ジェロムレが案外総合ルールに適応してきている感じ。一瞬ギロチンチョークが入りかかったように見えて、安田忠夫戦のことが頭をよぎったり。けど、オープンフィンガーグローブでバンナがぶん殴るってのはやっぱり見物って感じがするので悪くはないのだ。
 宮田和幸対エリカス・ペトライティス。どう見ても身体能力高そうで見栄えする体の宮田。ただ、善戦はすれども最後のフィニッシュに持っていけないことが多かった。ひょっとしたら、相手を投げたりひっくり返したらポイントが付くような競技の方が向いているんじゃないかとか思ってた。だから、この試合も圧倒的に有利に進めていても、サクッと肘とか極められるんじゃないかとか、ファンでもないのにヒヤヒヤしちゃった。けど、最後まで一方的に終わったので一皮むけたかな。パウンドとかも様になってるし、今後はちょっと応援しちゃおうかな。
 須藤元気オーレ・ローセン。ヨーロッパのムエタイ王者といわれても、果たしてどれほどのものなのかよくわからなかった。‘北欧幻のムエタイ王’くらい強いのかな。
閑話開始>>
 俺はマーティン・ホルムが好きで、しばらく名前を見ないのを残念に思っていた。調べてみたら、重い心の病気を患っていて、スウェーデン王女に会いに行くために車を盜んで城壁に激突したらしい。お前は藤谷美和子か。そして俺は、北欧的憂鬱について少し思いを巡らせた。
<<閑話休題
 で、ローセン選手。須藤がカンフー服(背中の逆さの「福」は‘倒福’といって、中華街なんかじゃわりかしよく見られる。由来は「到福」と音が同じことから→http://www.yakuzenro.jp/room/jijyo/daofu.htm)でぴりっとしない一方で、これがなかなかの強さを見せてくれた。膂力の強さみたいなのがちゃんと感じられて、‘総合格闘的ムエタイ’ってむっちゃ強そうだなとか思っちゃった。服脱いでからちょっと本気モードの須藤、2Rの終わりころの裏拳とか、もっと最初からやれよみたいな。それに、なんだか入場シーンもちょっと見飽きたかな。入場曲に使ったアンダーワールドのツー・マンス・オフは好きな曲だし、たとえばその服装でいろんな人に見てもらおうってショーマンシップは大いに素敵なのだけれど。
 メーンは所英男池田祥規。もういい加減フリーターもないと思うけれど、どことなくフリーター風の風貌でもあるのはたしかなのだから仕方ないか。相手はまだ総合経験の浅い極真空手の選手で、こちらはさっくりと絞め落として秒殺。本業としての凄味を見せるなら、こうでなくっちゃ。所はいい選手だと思う。

 ……というわけで、どうにも盛りあがりには感じだったかな。山本“KID”徳郁と昨夜も出ていた宇野、須藤、所といったところ同士が当たればかなりの見ものなのだけれど、それ以外の駒不足は否めないってところかもしれない。わたしはK-1派とかプライド派だとかそういう見方はよくわからないのだけれど、いろいろな大会や団体があるのならば、それぞれがどんどん充実して競い合って、時には対抗戦や統一王者とか、そんなふうになれば面白いと思っているので、あんまり選手の縛りが厳しくならない程度にそれぞれ栄えていってほしいと思うのだ。それで、地上波で見ることができるのが続けば、軽薄ミーハーとして大満足なのだけれど。