マリーンルージュ&マリーンシャトル

 先日山下公園に行って、やはり気になった。公園の右端あたり、遊覧船の呼び込みのアナウンス。延々ととぎれることなく呼び込み続ける。かなりの音量で呼び込み続ける。呼び込むのは中年男性の声。ところどころつまづく。生呼び込みか。
 公園はいろいろな側面を持つ。静寂と憩いだけが公園ではない。にぎやかな催しがあったり、音楽の生演奏が流れていたっていいだろう。しかし、しかしだ。公園の一角を呼び込みアナウンスのスピーカーが完全に支配しているというのはあまりにもおかしい。絶え間なく遊覧船のアナウンスを聞かされるのは何の苦行か。
 おまけにその日は真横でロックバンドが上手ともいえないようなギターとドラムの音を響かせていた。彼らは呼び込みアナウンスに対抗しようとより大きな音を出し、呼び込みも抵抗する。頭がおかしくなりそう。横浜を代表するスポットの一つ、山下公園がこんなことでいいのか。山下公園にはこれが求められているのか。寿町の方がよっぽど静かで落ち着けるぞ。
 俺はNPO法人をつくることにした。名前は「山下公園の音環境を取り戻し、憲法九条改悪に反対する市民の会」でどうか。後半部分で入れ食いだ。永久会長、俺。会費、月八千円。会長は主に会費を使って会員(人妻)と中華街で懇談会をするのが仕事。NPOがむずかしいならNP0法人でもいい。
 ……そんな妄想はともかくとして、本当に神奈川新聞あたりに投書してやろうかと思ったのは本当だ。しかし、公園を離れて待ちに戻ると、まあ別にどうでもいいように思えてくるのも本当だ。