生誕100年記念 ダリ回顧展

http://www.dali2006.jp/
 サルバドール・ダリ。理性的、理知的で、ひどく真面目だった。頭でっかちの冷たい芸術とは言わないが、自分の中ではそちら側のものと感じた。だってあなた、そういう人間じゃなければ、あんな髭をしてみせる理由がない。でも、シュルレアリスムってそもそも人工的にそれを目指した運動/思想みたいなもんっぽいし、そういうものなんでしょう。
 あと、個人的に、ダリの描く砂漠や地平線の背景に入っていけない。グッと感じるもの(どきどきしたり、不安になったり、鳥肌たったり)が無い。きれいに、明るく、わかりやすく完成されすぎていて、引き込まれる余地がない。これは、俺個人の内部に根ざす何かとのズレだろうか。
 それでも、さすがにステキだなと思った作品はある。サイズ的に一番の大物であった『世界教会会議』は横尾忠則っぽくて好き。こんぐらいぶちまけないと。『原罪』はくたびれた靴と飾りをつけた足。シンプルだけど印象深い。あと、『分子の騎馬像』は馬の球節のところの描かれ方がおもしろかった。『ポルト・リガトの風景』は、画面下に小さな天使と男。これはいい。
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 行ったのは先週の土曜日。公式サイトなどに「平日がおすすめ!」とあるように、ひどい混みよう。といっても、自分らは朝早く行って、すんなり入れたのだが、昼頃に出てみると長蛇の列。その後の館内はいっそう熾烈であったろう。月曜から金曜までの労働に縛られる人間は、芸術を鑑賞することに期待してはいけない。
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 ショップも混んでいた。さすがにダリ・グッズは少なからずある。なにか実用的なものはないかと思ったら、ダリ香水があった。試し紙をかいで、なんかいいのがあったので購入。ミニチュア・ボトルみたいなので千円。「ここでしか買えない」とか書いてあったけど、検索したらネットでもいろいろなところで買えるみたい(http://www.beautyfactory.jp/salvador_dali.html)。で、俺、こんなもの買ってどうするのか。
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マルセル・デュシャン展でも似たようなこと書いていた→id:goldhead:20050129#p1。あと、たしかヴィフレド・ラム……は検索しても日記に書いてなかったか。書き始める前だったか。俺の美術に関する趣味、要するに、なんだろう、あんまり賢そうなやつは苦手ね。古典、みたいにがっしりしたものか、もっと野性的な、それこそ子供の絵のような。あと、仏像とか。そうだ、仏像展もやっていて、こっちが人多ければそっちという案もあった。それは昨日で終わった。