最後の真剣師の死

http://www.asahi.com/obituaries/update/0221/001.html

「最後の真剣師」将棋のアマ強豪、大田学さん死去

 賭博なんかには眉をひそめそうな朝日新聞が、かなりの分量で伝えた訃報(朝日アマ名人だからか。ある意味プロを参加させた度量やよし)。真剣師といえば“新宿の殺し屋”小池重明だとか、“鬼加賀”加賀敬治あたりの名が浮かぶけれども(団鬼六の小説あたりで知るばかりなのだけれど)、この大田学さんが“最後の真剣師”だったのか。古く“東海の鬼”、“妖刀使い”の花村元司真剣師からプロ入りした例もあったけれど、“最後の真剣師”が死んでしまってはそんな話もありえない。今後は奨励会から即プロ進出かなわなかった“くすぶり”たちが研鑚を重ねて再チャレンジという流れだろう。いや、彼らに“くすぶり”なんて言葉は似合わないか。どうも、高度化や洗練化ばかりが面白いようには思わないが、その時代、その時代の新しい“”付を探し、味わっていくしかないのだろう。“最後の真剣師”に合掌。