マンションの角のいやらしい植え込み

 ふだんは通らない道を選ぶことがあります。ふだんとは違う方向から交差点にさしかかります。自転車をとめて赤信号、マンションの角の植え込みをふと見やると、葉のつきかたが立体的でおもしろいのに気づきます。ずいぶん違うけれど、どこかサンカクバアカシアのようだと思う、その正体はナギイカダでした。ナギイカダの葉の上には、ぽつんと小さなお豆が乗っています。これがふくらんで、赤い実になるのです。もしも私がリンネだったなら、この植物名の学名を、陰核にちなんだものにしたのになあと思います。ナギイカダの学名はRuscus aculeatus、aculeatusはトゲがあることを意味します。ナギイカダの葉の先端には鋭いトゲがあっります。だから、よからぬ動物や人間が、やすやすと入れないようにする植え込みに向いています。