M-1グランプリのあり方はこれでいいのか?

今回で7回目となった漫才日本一決定戦「オートバックスM−1グランプリ2007」。23日の決勝では、ほとんど無名の敗者復活組、島田紳助いわく「小汚いおっさん」のサンドウィッチマンが大逆転でグランプリを獲得、賞金1000万円を手にした。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071224-00000001-maiall-ent

 わたくしが事前に◎を打ったのは「ダイアン」。でした。その理由は何でしょうか。わたくし、ダイアンの顔も名前も知りませんでした。ゆえに、決して彼らの実力を知って評価してのことではありません。では、何を評価してのことでしょう。それは、他ならぬ笑い飯をはじめとする常連出場者たちです。彼らが優勝できるのか、と。
 たとえば優勝候補は笑い飯。その笑い飯も最初の衝撃が大きすぎて、その後も他の出場者たちと戦えても、かつての自分たちのベスト芸に勝てていない、そう見えて仕方ありません。また、POISON GIRL BANDなどわたくしは好きなのですが、この特殊なスタイルが漫才日本一の戦いを制するものかと言われると、ノーと答えざるをえません(それでも決勝に勝ち上がってくるのだからすごいものですが)。常連組はどれも面白い、優勝候補だと言えるでしょう。しかし、早いうちに優勝をかっさらえないと、今度はどんどん不利になってくる。そういう面があると思うのです。
 それゆえに、ダイアンは負けましたが、サンドウィッチマンの優勝はある意味順当だったと思うのです。彼らの漫才は、たぶん一度か二度テレビで見たことはあるはずですが、やはり新鮮で面白かった。他がやや低調という気もしましたが、最終決戦勝ち上がり、そして最終三組の戦い。わたくしにはサンドウィッチマンの勝利が妥当(今回ちょっと……と思ったのは、ハリセンボンの低評価くらいでしょうか)だと思いました。中田カウスを目の前にして「○力団」ネタをやる勇気に乾杯です。
 さて、だんだんとタイトルとしての重みが増してきたM-1、こういった一発逆転が見られるようなやり方で、果たしていいのでしょうか? わたくしは、「いいんじゃね?」って思います。上の記事には「漫才日本一決定戦」などと書かれていますが、結成十年以内という縛りがある時点で、むしろ朝日杯FS日本ダービーのような性格がある。決して、ジャパンカップ天皇賞ではないのです。そういった大会だからこそ、下克上の中に下克上があっていい。とくに、ほとんど無名(コアなお笑いファンにとってはどうか知りませんが)な人達が勝ち上がれるチャンスがある、そういうところに意義はあるように思えます。笑い飯が面白いのはもうわかっとる、そういうことです。今回は外していたかもしれませんが、その一発勝負の綾も愛しましょう。
 と、いうわけで、日ごろろくにお笑い番組も見ず、人の家でクリスマス風飲み食いしながらちらちら見た(面白そうなやつはしっかり見たのです。途中で目をそらすことが多かったけれど)だけで偉そうなこと書いてみました。ご海容ください。