八木さんのファンなので、今年も明石家サンタを見たのです。

人気お笑いコンビ・タカアンドトシのタカが25日(火)深夜、フジテレビ系で生放送された『明石家サンタ史上最大のクリスマスプレゼントショー2007』に電話で出演し、かねてから交際していた一般人の女性との破局を告白した。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071225-00000000-oric-ent

 そうだった、見たんだ! ……もう何年目なんだろう、八木さん何歳? でも、ずっと八木さんのファンなんです。いや、それはともかくとして、毎年なんとなくつまらなく思えてきていた私、昨夜深夜0:40分くらいに自転車を漕ぎながら理由を思い浮かべていました。

  1. 不幸話がつまらなくなったから
  2. 明石家さんまがつまらなくなったから
  3. 見る方が飽きたから
  4. 八木さんに罪はないから

 1.については、あまり考えにくいことです。一年に一度の番組、たとえばラジオの投稿コーナーの頻度などと比べたら、ぜんぜんたいしたこと無い。さらにいえば、「不幸な話」なんてのは、人類の歴史と同じだけ長い笑い話、枯渇することがないはずです。他人の不幸はテイスト・オブ・ハニーです。アンナ・カレーニナvs蒸気機関車
 2.、この要素はどうでしょう。どうも、ありそうな気はします。世間が見るさんま像をさらに演じてみせて終わらないさんま自己愛永久輪廻地獄。さんまが焼け太って美味しいはずがない……と、意味不明な酷評ですが、いや、見ていてたまに不快なことがある、「おもしろくない」ではなく「なんか嫌な感じだな」と感じることが、時折ある。それに本人が気づいているふしがない、そういうところがあるのです。その、しゃべりのプロを自負する自信満々っぷりに溢れたさんまを前面に押し出すさんまのさんまっぷり、これ自体が鼻につきますが、それに加えて、老いによる条件反射の鈍さ、空気の読み違い、そういったものが合わさると、ちょっとチャンネルを変えたくなる。いや、まあ、でも、やっぱり昔からテレビで慣れ親しんできた人ですし、嫌いじゃあないです、基本的に。
 3.も無視できない要素です。どんなものも、新鮮さというプラス要素がある。それがすり減れば喜びも減る。ある程度までは積み重ねられた歴史と内輪感が高まるが、山道は下る。そういうものじゃないでしょうか。そして、この番組も、単純な構成ゆえに飽きる面はある。
 また、3.に関連して、見る側の意識の変化もあるんじゃないでしょうか。これは私だけの話かも知れませんが、ネットでさまざまな人の意見を見られるようになったことで、笑いなどに対するハードルが上がっているということです。自分が面白いと思うものを「クソつまんない」と言い切られているのを見ると、「俺、間違ってるんだろか」と思うし、自分がクソだと思ったものが褒めちぎられていれば、「そういう見方もあるのか」と思うもの。これ、対面する人間関係では、話し手のパーソナリティがある程度わかっているから、意見を補正もできる。しかし、ネットではそうはあまりいかず、意見そのものだけを見る。そしてだいたい、威勢がいいのは悪い評価の方じゃないでしょうか。その結果、知らず知らずに「笑ったら負け」的な、変な鎧を着てしまってるのです、私は。
★☆☆☆☆
 などと、まあ、考えていたんですが、結局明石家サンタなんてのはポケーッと見てればいいような番組じゃあないですか、イヴの夜に。それでもって、近年では一番おもしろかったんじゃねえかと思うんだけれど、どうですかね。タカの失恋話は長かったけどなかなか真に迫っていたというか、真なのかもしれないし、光浦靖子は出オチオーケー。そのまんま東や山中元アナの内輪感も嫌いじゃないですよ。
 いや、肝心の一般人の方はどうだったかというと、これはというものもなかったかもしれませんが……、えーと。たとえば最後の王様ゲームで「お前帰れ!」は漫才のネタみたいでよかった。あとは、アンテナがなかったやつはスパッとよかった。それで当たったのがまた、見られないDVD。そうだ、今回は、賞品がらみは神がかっていたように思います。初っぱなの自動車から、外れの出方まで。
 となると、やっぱりちょっとさんまが無駄に引き延ばしてしまい、無駄な時間をロスしたんじゃないかって惜しさも残ります。「突っつけば良いものが出るかもしれない」、「出してやろう」というところにとらわれ、切り回しが鈍かった。ただでさえ年に一度、「まだはもう」の意気込みで、バシバシやって欲しかったかも、と。
 でも、総体的に見たら、いい感じのところはよかった、と。「見てよかった」という方が強かった、というのが今年の感想。それに、私ももう、あんまりバシバシやられても辛いかもしれないし、逆にもっとまったり……だと、さんまの一人語りになって、それもつまらないか。時間延長は……八木さんの肌にも悪そうだし、まあ、こんなところで来年も見ます、たぶん、きっと。