2007年大晦日

http://sportsnavi.yahoo.co.jp/fight/k1/live/2007/2007123103/index.html
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/fight/other/live/2007/2007123102/index.html
 もう、ほとんど格闘技の情報とか追ってなくて、どこで何の試合があるのかもいまいちわからないままだったが、紅白を見る趣味もないのでガキを録画しつつK-1 Dynamite!!見た。いくつか適当に感想を。

所英男vs田村潔司

 この体重差はないだろう。もっとひどい体重差の試合もかつて、というが、この日もあっただろうけれども、これは何か違和感。日本人同士だからかな。体格の違いかな。ちょっとこれはないだろう。……という前提で、案外いい試合、といってどうかわからないが、見ていて悪くない部分もあった。格闘技史における田村の立ち位置や、それを見る所の視点のことなど知らぬ。ただ、所がただならぬ感じでやっていこうというのが伝わってきた。端的には最初と最後。所はやっぱり挑んでいく姿が似合うように思う。今回は体重差に挑んだわけで、それに挑むのは超人の仕事のような気がしないでもないが。田村は手堅く行ったのかな。早く決められたようにも見えたが、しかし、それでは面白くなかったか。

武蔵vsベルナール・アッカ

 マスオさん芸人vsアナゴさん芸人の一戦。これもイクラなんでもというマッチメイクに思えたけれど、この日の体つきを見る限り、マスオさんの方が強そうに見える。試合始まってみて、マスオさん一気のラッシュで、思わず声を出して笑う。アッカは本当にカウンター勘があるように見える。ただ、ここで体力を使いすぎた。武蔵さんも致命傷を受けるほど劣化しているわけではない。武蔵さん、格下相手の怒りモードで攻め立てる。こうなったらお家芸股間被弾も見たかったが、そうもいかずK.O.決着。なんだかなあ。

魔裟斗vsチェ・ヨンス

 まがい物(世界ボクシング基金など)ではない、本物の元ボクシング世界王者、チェ・ヨンス。……だけれども、畑山隆則が最初に述べたように体格で見劣る。放つ蹴りは、逆に自らにダメージがありそう。しかし、折れない心、倒れないのが誇り。魔裟斗はこういう相手に、手を抜かないでキック使う。俺は、それでいいと思う(試合前の煽りで「パンチで」とか言ってるのはようわからんが)。しかしなんだ、ボクシングを食い物にするのならば、せめて上の階級(体重)の人間を当てればいいのに、と思う。いや、バター・ビーンとかでなしに。

キム・ヨンヒョンvsニコラス・ペタス

 判官贔屓回路が発動する条件の一つに体格差があると思うけれど、この試合はすぐに「かわいそうな巨神兵」を応援していた。最初はチェ・ホンマンより速く動いてたから、一瞬シュルトさんかと思ったけど、なんだ、なんか大きいだけだもの。もちろん、彼自身鍛錬を積んで、勇気をもってリングに上がっているわけで、「かわいそう」扱いはあんまりかもしれない。もちろん、ペタスにしたって「そんなに甘い相手じゃない」というかもしれない、が。が、しかし、やっぱり何だかなぁという感じがしてしまう。もちろん、ホンマンみたいに憎たらしい巨人の可能性もあるから、決めつけはよくないけどね。で、判官贔屓しといてなんだけど、やっぱりあの巨体がぶちのめされる姿というのは絵になる。

山本“KID”徳郁vsハニ・ヤヒーラ

 ヤヒーラは「もの悲しげな男」という顔。後から知ったが、減量が厳しいな。KIDはレスリングがバックグラウンドなのだけれど、完全打撃勝負。タックルまではともかく、寝てからの技という意味では柔術圧倒。となると、この場合、KIDは何でたたかっていると言えるのだろうか。打撃得意の総合格闘家、か。しかし、この試合ヤヒーラの寝技は出ない。殴り合いせざるをえないところから、盛り返してみせるヤヒーラ。このあたり、大ノゲイラの打撃を思いだす。しかし、結果はKID。面白い打撃戦だった。ボクシングでもないし、キックボクシングでもないタイプの打撃戦。これはなんというのか。総合格闘技の打撃戦、か。

ボブ・サップvsボビー・オロゴン

 クレバーなサップにしてはいまいちな試合に、しょっぱい試合にしてしまった。マウントから壓殺するなら、せめてもうちょっと圧倒的に、あっという間に決めなきゃ。もちろん、これがプロレスでなく真剣勝負前提としても、だ。
http://www.nikkansports.com/battle/p-bt-tp0-20080101-302150img.html

ミノワマンvsズール

 猪木・アリ状態に続く、ミノワマン・ズール状態とでもいうべきかどうか、セオリー化するほどこんなマッチメークが今後どれだけあるのかどうか。ズールは昔ヒョードル相手に酷いことになったのしか知らないけど、今日は見せてくれた。重さ+手先のテクニックという妙な組み合わせのキャラ。まあ、これが体格差のある相手ならではというところもあるか。でも、あれの投げは一本だろ、一本。

エメリヤーエンコ・ヒョードルvsチェ・ホンマン

 うわあ、ヒョードルだよ、ヒョードル。いつ以来だよ、うわー。プライドだー。くそ、地上波撤退によって、地上波しか見られない貧乏人としては、意識の外に閉め出すしかなかった世界(その後の解散でファンもどうしようもなくなったのかもしれないが)、これ、これだよなあ。なんか客席の盛り上がり違うじゃないか。ハッスル!にミルコ・クロコップが出てきてもこうは思わなかった(桜庭―船木戦の前にチャンネル回したら、ちょうど出てきた。「お元気ですか」ってテンション低いな)が、いやあ、しかしなんだ、なんかもう、いいなあヒョードル……。ホンマンはホンマンで、短い時間で案外「おおっ」ってとこがあったかもしれない。キックだとどうも面白さに先が見えないので、いっそのこと転向すっか?

秋山成勲vs三崎

 うわー、三崎、三崎、三崎ー! ようやった! ようやってくれた! いいなあ、おれ、こっちがいいなあ、やれんのか! 見たかった! くそ、貧困め、貧困め! 黒社会との繋がりめ! 黒社会! くそ、ちくしょう! 

ハンセンvs宮本

 えーと、決して宮本やヨアキム・ハンセンが魅力無い格闘家とはいいませんが……、これが大晦日格闘技放送の大トリでええのんか? という思いは否めず……。もちろん、試合時間が読めない格闘技、ディレイに生放送、さらに二大会連携でいろいろ調整が大変なんだろう、けどね。

総評:とか偉そうなこと言えないが、なんか、旧PRIDE系会場から届けられた二試合が最高だったよ。いや、こっちの方もいい試合あったけどさ。でも、なんかな。かつては三局放送とかいう馬鹿げた自体になった大晦日興行。ともかく、来年以降も続くことは願う。今後どういう団体がどうなっていくのかわからんけど、今回みたいな二大会連携とかのいいとこ取りみたいなのもありだろうし、さ。