人々の間を流れる大きく黒い川について

 こちらの日記を読んでいましたら、「人体の不思議展」についての記述がありまして、標本がほとんど包茎ではなかったということが記されています。はて、「人体の不思議展」、私がかつて見たものと同じでしょうか。同じようです。なんというロングランでしょうか。こういってはなんですが、どうもやはり、巡回見せ物興行という気もしてきますが……。私は日記にこう記しています。

  • 標本はほとんどが男だった。男たちの股間からは、冬虫夏草を思わせる、彼らのものがぶら下がっていた。無性に悲しくなるさまであった。俺がもしも標本になる運命だとしたら、これだけは避けてもらいたいと思った。
  • どうやって作ったのか見当もつかないが、血管だけになった人がいた。やはり、股間には充実した海綿体が見て取れた。これも、無性に悲しくなった。

 残念ながら、皮に関する記述はありません。しかしながら、これら記述を読んでいて、私は妙な感覚を覚えました。彼ら、すなわち、おそらくは中国の死刑囚たちに対してです。「おい、お前ら、俺はお前らの冬虫夏草を見て悲しくなったが、一方で包茎ではないってプラス評価をしてくれる人もいるんだぞ、よかったなあ」と。そして、「プラストミック職人にも武士の情けがあるんだなあ」、などと思った次第です。
 しかしながら、リンク先でも話題になっていますように、中国における包茎事情というのがよくわからない。そういう価値観があるのかどうかわからない。場合によっては、あの死体たちも「いや、それプラス評価かどうかわかんないから」って言ってるかもしれない。男と女の間には深くて暗い川があるという歌もありますが、日本人と中国人、生体と死体の間にも川がある。そう言わざるを得ません。せっかくだから少し調べますと、次のような記事が見つかりました。

中国広州市で、中学生7人が“包茎検査”を不正な方法で回避したとして、退学処分になった。

http://rate.livedoor.biz/archives/50364960.html

 なんということでしょう。たかが包茎で退学。中国では包茎狩りのようなものが行われているのかもしれません。包皮解放軍の紅衛兵たちが、村々の少年たちを尋問、検査し、場合によっては強制収容所に送られ、そこで命を落として、プラスチック人形に……。いや、たまに人様の日記などにリンクを貼るとこうなのだから、どうも失礼しました。