ラジオ仁義と腐った羊水、腐れ玉

goldhead2008-02-05

先日のニッポン放送倖田來未オールナイトニッポン」番組内で、私が発言した内容により、
皆様に不快な思いをさせてしまったことを心より深くお詫び申し上げます。

http://rhythmzone.net/koda/index.html

 「お母さんの羊水が腐ってくる」。これはなかなか強度のある言葉だ。“グロカッコイイ”などとはとてもじゃないが言えないが、「腐った羊水」というイメージにはそうとうにキック力がある。この場合はかなり悪い方向に向かって。スポンサーの体面などもあるだろうし、自粛もむべなるかな。
 ところで、この件について競馬評論家にして放送作家水上学氏がこのようなことを記していた。

★ 倖田来未の問題発言は、本人のアホさ加減はいうまでもなく、録音番組なのにこれを編集せずに通してしまった局の鈍感さも追求されて然るべきだろう。それにしても最近のラジオは編集しない。していても粗すぎ。録音イコール録って出しと思っているんじゃないか。単に面倒くさがってるとしか思えない。

http://wave.ap.teacup.com/mizukami/433.html

 これと同じようなことを、さらに昨日二回聞いた。ラジオからだ。一つはGROOVE LINEピストン西沢。かなり珍しくシリアス運転をかいま見せた。倖田はついこないだスタジオに来ていたように、仲はあるようだけれども、やはり録音ということを考慮してほしいようなことを言っていた。もちろん、言った本人が一番悪いという前置きつきで。 そしてさらに、月曜深夜の伊集院光。こちらもまた、同様の前置きつきで、録音放送であったことに言及し、スタッフにも責任あるんじゃねえかというようなことを。
 いずれもあまりエイベックス圧力とは無縁そうなところから出てきたあたり、ラジオ内側の人からすると、ここらあたりが共通認識なのかもしれない。今日日、インターネットという帝網重々、インドラの網の珠玉に情報が乱反射しあってやむことのない時代(こんな風に日記を後悔している俺も腐れ玉の一つだ)、慎重さに慎重さを重ねた発信が求められるということだろう。
 とはいえ、物言えば唇寒しなんとやらでは、なにもおもしろくない。教育テレビの高校講座(たまたま昨夜生物を見たら、最後にNG集流れたりして案外面白かったのだけれど)のような安全運転だけになったらどうしよう。毒気は全部インターネットで、というのもつまらない。伊集院や西沢のように、生放送で崖っぷちを疾走するテクニック、それを聞きたいじゃないか。明文化のできない線引きをめぐる見えない綱引き、その境界線の上。
 だからこそ、倖田の件についてはラジオのプロがどうにか止めるべきだった、といえるのかもしれない。モラルのハードルが一つ高くなってしまった。もちろん、どこであろうと発言無法地帯というんはありえない、いや、発言までは無法でも、そのあとに責任をとらねばならない。そして、関係ないところまで影響を与えるかもしれない。
 今、問題の番組のディレクターはどういう心境にあるのだろうか。編集時に、羊水の腐った強度がひっかからないはずはないと思う。ちらりとは気になったと思う。あるいは、そのときは全く気がつかなくても、あとからそう思ったはずだ、という記憶の改変くらい起こっているはずだろう。崖と気づいていて崖から落ちたか、気づかずに歩いてて衝突したのか。その後悔の深さ……と、ひょっとしたら「いやー、ちょっとまずかったなー、アハハ」って業界ノリでまったく気にしていないのかもしらんが、まああまりこちらが電波の向こうを気にしても詮無きことなのだけれども。