『鉄コン筋クリート』/監督:マイケル・アリアス

鉄コン筋クリート (通常版) [DVD]
 食わず嫌いの漫画家ってまず思い浮かぶのが松本大洋で、食わず嫌いっていうか、コミックCUEあたりでなんか読んで苦手だなって思って、それっきりなんだけれども、この映画は気になっていたっていうのも、なんかそもそも俺はアニメが好き……というと、いろいろなアニメを好んでみているようだけれども、そういうわけでもないのだけれど、たとえばテレビの深夜映画とかあって、それがなんかアニメだったりすると、かなり見たい方に針が振れるというか、どの作品、とかいうわけでもなしに、アニメというだけでもポジティブの方に振れるところがある程度のことだけれども、まあそれで、現代のアニメの金のかかったひとつの到達点みたいなところも見たいってのがあって、それはこの監督もかかわってるアニマトリックスを観たとかそんなのもあったりして、でも、ぜんぜん知識はないんだよね。
 それでこの『鉄コン筋クリート』、CGの融合されっぷりとか、キャラの動きっぷりとか、背景の細かさとか、かなりしびれたんだけど、声の出演陣もすげえってことで、とくに主役の二宮和也蒼井優、その中でも蒼井優はばっちりで、ほかにも大森南朋とか田中泯とか、なんか個人的にツボなところが揃ってたりして、まあなんというか当たりって感じなのでした。
 ストーリーの方も、予想していなかった緊張感とハードボイルドに溢れていて、ぐぐっと集中して観られたけれども、なんか最後の方の内面シーンに関しては少し冗長に思えて、なんかこういうのってみんな似てくるよなとか感じたりして、もうちょっとサクッとバシッと見せてくれたのなら最高だったろうと思うのだけれども、いっぽうで「街」の方についてはどこか放り出されたような気もしてしまったのである。
 なにはともあれ、ともかくこういう規模のアニメを観たいという願望は満腹したのであって、こういうのをもっと観ていきたいなとか思ったのであって、資金的にアニメファンになることは難しいけれども、もうちょっとどうにかしていきたいというところなのであった。