皇帝とマジェスティーズプリンス

【ロンドン28日時事】英国防省は28日、チャールズ皇太子の二男で陸軍に所属するヘンリー王子(23)が、アフガニスタン南部の前線地域でイスラム原理主義勢力タリバンとの戦闘に参加していることを明らかにした。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080229-00000022-jij-int

 国や時代が変われば王や皇帝、またその家族のあり方というのもおおいに変わってくるもの。現代日本において、皇太子が自衛隊に入隊し、PKOでどこかに派遣されるということは、まずありえないだろう。しかし、日本と英国で妙なところで一致させてしまっているものがある。チャールズ皇太子の「皇太子」。

 やはり本当は「チャールズ王太子」であるべきだ。しかし、日本の公文書でも用いられているように「チャールズ皇太子」は「チャールズ皇太子」。個人的な感覚からいっても、物心ついたときから「チャールズ皇太子」であって、ダイアナ妃フィーバーのときも「チャールズ皇太子」だった。もはや分かちがたい、ひとつらなりの固有名詞。
 なのだけれど、例えば上記文章のように「チャールズ皇太子の二男で陸軍に所属するヘンリー王子」といわれると、すこし違和感がある。皇太子の子息であれば、「ヘンリー皇太孫」じゃあないのか、と。しかし、皇太孫となると、アフガニスタン南部でタリバンと戦うというより、河北で袁紹と戦いましたかということになってしまって、さらに違和感は増すだろう。やはりここは「王子」……なの?

 ……はい、断念。でも、ヘンリー王子に関しては「Prince=王子」で問題はないのだし、やはりチャールズ・フィリップ・アーサー・ジョージ・マウントバッテン=ウィンザーさんに「皇太子」としたのがロスト・イン・トランスレーションのはじまりだったのかもしれない。
 ……なんとなくこういう称号とか爵位とかの話をつらつら眺めるのは、なんとはなしにロイヤルな気分に浸れて面白いところがある。高校で習った世界史なども思い出す。まあ、本来プリンス・オブ・ウェールズと聞いても、即座に「レパルス」という名が浮かぶタイプの人間であって、ロイヤル気分も一日のうちたった一瞬。
 最後に、めっささわやかな笑顔のHis Royal Highness The Duke of Yorkをご紹介。これぞロイヤルスマイル(なのか?)。

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  • wikipedia記法が今までなかったのが不思議だ。俺、目に見えるURLが好きだけど、日本語項目では半角文字列突き抜けるからね。