家本審判問題その後

 日本協会の松崎康弘審判委員長(54)は5日、1日のゼロックススーパー杯鹿島−広島戦で主審を務めた家本政明審判(34)に当面、Jリーグの審判を割り当てない意向を示した。同戦で警告、退場を乱発したことなどを問題視したもの。期間は1カ月以上となるとみられ、今日6日にも発表される。

http://www.nikkansports.com/soccer/news/p-sc-tp0-20080306-331900.html

 ……この家本審判問題その後。結果としてまた研修送りになってしまったようだ。
 ところで、リアルタイムで見られなかった問題のPK、スポーツニュースなどで見たが、速攻で旗をあげてるのは線審。曽ヶ端が文句を言いに行ったのも線審。ありゃあ線審の判断であって、それを無視したら無視したで問題だろう。でも、やっぱり試合中と前科(?)があるから「おおむね支持」ながらも出場停止ということだろうか(地上波生放送でふだん見ない俺みたいなやつまで大勢見たのも影響してるだろうか?)。なお、その判定あたりについては次の記事でいくらかわかった。

「GKからしたら死活問題。野球で例えるなら、投手がこれまでの投球フォームでボークを取られるようなもの」

http://data.news.goo.ne.jp/article/nikkan/sports/p-sc-tp0-080304-0003.html

 なーんかおかしいと思ったのは、曽ヶ端といえば俺ですら名前を知っているくらいの選手。まさかルールを、少なくともプロの試合で運用されるルールを実感していないはずがないと思ったのだ。あるいは、もしも今までずっとこれで反則を取られていたら、プロで飯食ってるわけにいかないだろう。となると、運用の変更なわけだけど、上のセリフがプロ野球ファンには非常にしっくりくるところだが、「来期から厳密にやるから二段モーション禁止」ってのは、キャンプよりずっと前に告知されるわけで。「ブックにあるルール通りだ」といえばそうだが、やはり規則と現実の運用、法と現実の運用、運用を変えるよと通告するのがフェアだろう。
 それはそうと家本さん。俺が知った話ではないが、今後どうなるのだろうか。今まで以上に選手やサポーターからの目も厳しくなる。ますます判定に不満を持たれるだろうし、ますますブーイングも激しくなり、ますますプレッシャーがかかって……の悪循環になりはしないか。まだ34歳、いったいこの先どうなるのだろうか、少し残酷な気もする。
 ……と、思ったが、ピッチでプレーする選手たちもサッカーに人生を賭けて戦っていて、来年もまたサッカーで飯を食えるかどうかはわからん立場なわけだ。だったら審判ばかり庇われるのもおかしいかもしれない。そういえば、当日夜のすぽると、解説者が「個人批判になるから言いたくはない」としながら「こういう問題を起こす審判は限られている」とか言ってて、けど、それでもずいぶんな過保護に思えたもの。まずいプレーがあれば選手が批評されるのと同じく、審判も名前を出してやってるプロなのだから、批評されてもいいじゃねえのとか思った。が、まあ、サッカー門外漢にはわからない独特の事情(審判員が少なくて困ってる、など)があるのかもしれないが、まあそんなところ。
 
追記______________________

――試合後に混乱が起こったが。
 「僕が正しいと思っても、多くの方がそう思わないこともある。どちらが本当の正義にしても。自分自身としては残念に思うこともある」

http://www.sponichi.co.jp/soccer/flash/KFullFlash20080306067.html

 俺は別に何かの審判学校に通ったわけでもなければ、本格的にスポーツをしたこともないことを断っておく。その上で、この場合に「正義」という言葉が出てくるのは奇異に映る。「正しい/誤り」ならわかるが、「正義」と来たら逆は「悪」だ。
 そりゃあたしかに反則というものは時に人を傷つけることもあるし、競技そのものに対する裏切りであり、悪かもしらん。でも、審判が判定に「正義」の価値観を持ち込んでいるとなると、なんかちょっとおかしなことになるんじゃねえかと。その価値観が入り込むとなると、選手とともに試合を作っていくってことは、無理なんじゃねえかって。取締官と犯罪者みたいな関係になるんじゃねえの、みたいな。ようわからんが、もっとあたたかくあるべきところが冷たく、クールであるべきところが熱くなってないか、って。
 ……いやー、俺えらそうだな。まあ、ええことよ。