『アカイイト オリジナルサウンドトラック』

アカイイト オリジナルサウンドトラック
 読書の環境、というのは考え出すと気になってしかたなくなるものだ。就寝時に読むとなれば無音でよい。しかし、もうちょっと気合い入れて読むときはどうするか。俺は、かえって無音だと集中しにくい。少し、なにかあったほうよい。場合によってはラジオでもいいし、付けっぱなしのテレビでもいい。しかし、それがややうるさくかんじるとき、さてどうするか。適当な音楽を聞く。山ほどCDを持っているではないか。が、その適当が難しい。読んでいる本を邪魔しないように、と考えていくと、「この本に合う音楽とは何か」というところに行って、にわか音楽監督となってCDをひっくりかえしはじめて、読書どころではなくなる。というわけで、最近の俺は「消音でテレビをつける」という妙に電気代の無駄といえるような方法をとっていた。無音の音を色や形、光に代用させつつ、心は文字に没入させるのだから、自分でもなんともわからない。ちなみに、ここまで俺の頭を悩ませている今の読書は、上に書いた『妖星伝』である。
 ……と、読み始めてしばらく、ふと思い浮かんだのが「アカイイトの音楽ぴったりじゃね?」という発想。あれによって伝奇欲に火が付いたのだし、あれの音楽はよかった。そうだよ、マジでぴったりじゃん、アクションシーンとかにだっていいのあるじゃん、買いだよ買い、いや、買う! と、いきなりケータイからツーハンで買ってしまったのだからしょうがない。
 して、CD届いてさっそくコラボ。お、いい、いいぞ、やっぱりBGMなんだから、読書のバックグラウンドにもぴったりだわ。ああ、でも、不思議シーンはこれで、バトルんときは、こっちの曲がいいなあ……、なんなら、シーンごとの曲を覚えておいて、場面ごとに曲を合わせよう、読書DJだ!……って、これはこれでも読書の邪魔なのでそこまではしていないけれどね。でも、なんかそういうマシーンとかあっても面白いかもしれない。
 というわけで、とにかく『アカイイト』のサウンドトラックを買ったことについてだらだらと書いたわけだけれども、正直言って「ギャルゲーのCDまで買ってしまった、俺が!」という、何とも言えぬ感慨があることを告白しておく。ゲームのサウンドトラックを買うことなど、『伝説のオウガバトル』以来かと思うが、まあ何よりこのゲームのジャンルである。もとより偏見蔑視があるはずもないが(あったらそもそもゲームを買わない)、かといって愛好者、ファンとも言えない。免疫がないわけでもないが、進んで足を踏み入れてきたわけでもなく、何となく身構えてしまうところがある。ただ、俺はどこかもっと立派な、にわかではないオタ、オタクを名乗れるくらいのオタになりたいという思いもあって(金銭的に難しいが、たとえば競馬から足を洗えばいくらかの趣味費用にはなる。ただ、競馬から足を洗うのは無理。収入を増やすのも無理)、このままこの道に進んでいってそうなるならばそうなるの上等である。どんとこい、『アオイシロ』……いつかベスト版で安くなったら。
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