『新装版 競馬歴史新聞』

競馬歴史新聞―見て楽しく読んで大興奮の競馬デキゴト史 (にちぶんMOOK)

競馬歴史新聞―見て楽しく読んで大興奮の競馬デキゴト史 (にちぶんMOOK)

 けっこうしばらく前、会社帰りのコンビニで発見。コンビニでだ。以前の版は持っている。1998年、タイキシャトルシーキングザパールが海外で勝ち、ナリタブライアンが、サイレンススズカが、カーリアンが、アイネスフウジンのオーナーが死に、日経賞テンジンショウグンシャコーグレイドが大穴を出し、田原成貴の鞭がハシゼンの顔面に直撃した、1998年までの版だ。新版は2007までを収録。……どうしよう? 買うか? 買わないか? うーん、ディープインパクトの記憶も薄れつつある今、やはり押さえておくか……と。
 それでもってパラパラめくってみれば、やっぱり面白い。一から読むもよし、適当に読むもよし、訃報ばかり追うもよし。競馬に関する情報や歴史、記録についてはネットでも漁れるが、やっぱりこう、本、というのはいい。新聞というフォーマットもいい。写真も豊富で四コマ漫画もあって、それもいい。この本が競馬ファンにどれだけ知られているか知らないが、
 1933年、ハイペリオンの二冠達成と同じ年にカブトヤマがダービーを勝ち、その年のケンタッキーダービーでは一着馬と二着馬の騎手が掴み合い、殴り合いをしながら入線した、とか、
 1964年、シンザンが三冠制覇したときアメリカではノーザンダンサーが二冠を勝って、マニラでは境勝太郎騎手が招待競走を勝った、とか、
 1981年、力尽きたサクラシンゲキを悠々とメアジードーツが抜き去っていった年、イギリスではシャーガーが旋風を巻き起こし、フジノオーが死に、リュティエが死に、どこかのおっさんが中山競馬場の便所で競馬新聞に赤ペンで「おれはお馬で人生アウト。もしできたら医学用に使ってください」と書き残して死んだ、とか、
 ……そのあたりの歴史の妙が面白いという人には、買って損のないものであると信じる。
 しかし俺も、かつては別冊宝島の競馬読本シリーズをはじめ、いろいろと競馬の本を買っていたが、最近はもうほとんどないな。それとも、ああいうシリーズはもうあまり出ていないのだろうか。本屋にも行ってないのか。ネットが替わりになってしまった部分もあるのか……。