劇場版ターンAガンダム『地球光』『月光蝶』

ターンAガンダム I 地球光 [DVD]
ターンAガンダム II 月光蝶 [DVD]
 一番好きなガンダムは問われれば、やっぱり「∀」と答えてしまう。はじめて劇場版総集編を見て、あらためてそう思った。主要キャラクターのどれもがいきいきとして、存在感があって、そんなに悪いことにならない。ピースな愛のヴァイヴスに溢れている。決して世界名作劇場とも言われる絵のテイストばかりではない。
 それと、今になって気づくが、これはSFらしいSFだ。高度な異星人の到来、社会変化、人類の歴史、月世界。これのテレビ放映時に、俺はまだSF(小説)というジャンルに一歩も足を踏み入れてなかったと思う。けれども、これはそうだった。その他ガンダムシリーズと比べて、そこも際だっていると思う。
 ガンダムの歴史との関係。放映時、インターネットはあったか? あったと思う。それで、考察サイトみたいなものも賑わっていたと思う。いや、賑わっていたかどうかはわからないが、少なくとも俺は見ていたっけ。たとえば、「コレン・ナンダーの正体」とか。それで、「何が掘り返されるのか」とか、毎週ワクワクしていたように思う。カプール、ズサ、バウンドドック、なんか微妙、でもそれも妙味。
 それでともかく、なんか∀の話となると、とくにもう好きだというよりないので、この劇場版の感想。やっぱり二本に纏めるのは無理すぎる。ロランが自身がムーンレイスと打ち明けるシーンすらない。せめて三本。でも、見どころらしい見どころ、ロランの女装、ハリーの私服のセンス、ハリーが「ユニバース!」って叫ぶところ、御大将が「このターンX凄いよ! さすが∀のお兄さん! 」とか叫ぶところ、そして極上のラスト、そのあたりはばっちり押さえてあって、まあ見てよかった。
 えーと、そういうわけで、このSFテイストを味わうために、たとえばノベライズ作品にあたってみてもいいかもとか思った。あと、いつかスモー、ゴールドスモーのプラモは作りたい。あるのかは知らない。