オークスウィークスタート

 オークスの前にダービーの話をしたい。6月1日に予定を入れてしまった。東京優駿のまさにその日とバッティングしている。こんなことがあっていいのだろうか。カレンダーに無頓着な俺だが、これはあまりにも迂闊。競馬ファンの多くは東京優駿の一週間前から肉食を断ち、異性との接触を避け、髪を落とし爪を磨き、片眉を剃り落として山に籠もる。ダービーの日に山から降りてきて、競馬場に赴くなり、テレビの前で正座するなりするのである。この日は井戸に落ちた赤ん坊を見ても、助けてはいけない。そんな日に、ふらふら遊びに出かけていいというのか。俺はあんまりよくないと思う。
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 しかし、今年に限ってはオークスの方がワクワクするレースではあるまいか。一冠目が波乱したのは一緒とはいえ、オークスの方が粒ぞろいの感がある。中でも期待したいのは桜花賞で本命にしたソーマジック
 ……なのだけれども、それでいいのか? 去年までの俺ならば、このまま「ソーマジックのいいところ探し」(少なからずある)をして、そのまま購入に進んでいただろう。だが、今は違う。直前の直前まで考え抜きたい。当日の芝レースの連対馬の血統まで見た上で決めたい。予想家になくて、素人が持つメリットといえばそのくらい。そのために、ソーマジック白紙化のためにカウンターを当てておこうか。「なんかバテはしねえけど、切れ負けするんじゃねえの?」と。そしてたとえばレジネッタワンダーパヒュームファイトガリバープリモディーネチアズグレイスと、距離延長が不安視されながらも好走した桜花賞馬、そのあたりが思い浮かぶ。
 と、いうわけで、できるだけ白紙。まだ白紙。オークスはそれほど苦手ではなかったはずだ、たぶん。