痛いのは嫌い。俺はすべての世界が犯されて、おかしくなってしまったのだ

 歯医者から帰ってよりすべての調子がおかしい。精神のテンションだ。カーッとなって、ビクビクしたりする。痛いのは怖い。痛いのは嫌い、怖いのは嫌い。今朝は胃痛で早く目がさめた。歯医者の栄光のために言っておけば、よほど歯医者嫌いの小学生でないかぎり、たとえ小学生であっても何とも無い程度の痛みであり、施術時間、十分、しかし、十分で十分人は犯される。痛みの歴史。「暴力」や「弾圧」といった概念化以前の「いたい」、いたいことで人類は人類の歴史をウィーヴィングしてきた、そんなことを俺は思う。死より前にある痛み。ときに痛みが痛みがこわいを制し、ときにはいたくないことが歴史を書いた。今朝は胃痛で目がさめた。歯医者の歴史のために言っておけば、俺が怖がりすぎるのだ。幼少時の俺はレクター・ハンニバルのように縛りつけられた。いたみが歴史をつくることもあるのだ。