インターネットは巨大な全自動自白更生システムである

 大阪府警生野署は28日、ドラッグストアで販売していたヘアワックスに画鋲(びょう)を入れたとして、大阪市内の私立高校2年の女子生徒(16)を業務妨害の疑いで逮捕したと発表した。
 生徒は自身のブログに「ヘアワックスに画鋲を入れたり、いろんな店のいろんな所に画鋲を置いた」などと書き込んでいたため、閲覧した同店従業員が気付いて逮捕につながったという。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080528-00000055-yom-soci

 はい、こんにちは、今日はこのニュースを取りあげたいと思います。えー、ネットで犯罪行為が露見するというね、こういった事例を、「アホの犯罪自慢おめ」などといって済ましてしまっていいものでしょうか。ブログやSNSで、自らの悪行を気軽に書き込んで、取り返しのつかないことになる。これをですね、単に「愚かな行為」と指さすことがいいのでありましょうか。むしろ、ブログやSNSには、人間自らの後ろめたい行いですとか、思いですとかを、ついつい白状してしまう、そんな機能があるのではないか、と思うわけであります。言うなれば「王様の耳はロバの耳と叫ぶための穴機能」というものがあるわけでして、これはその、彼らがアホなので見つかったというよりも、まあ、露悪趣味と一見しますが、その実、彼らの内なる良心が自らの更生を願って、更生を一文字にすれば甦る、ま、そういうわけで、まっとうな人間として甦る、そんな無意識の願望を汲み取って、「よくぞ告白してくれた」と、懺悔を受けた宣教師のようなね、お寺のお坊さんでもいいんですが、まあそういう心持ちで受け入れてやろうと、そういう姿勢がいいんじゃないでしょうかね。
 しかしですよ、「さあ、あなたの罪は赦されます、告白してください」とネットの空気が生暖かくね、迎え入れようかとなると、やっぱりそれは面白くないというか、キモくて、ちょっとワル自慢しようという気にもなりません。だいたい罪は赦されない。ええと、そこではですね、むしろ、「書くなよ、絶対に書くなよ、書いたら炎上だぞ」という空気を作り出しておいた方がいいんじゃないかという、ちょっとした矛盾もある。いわゆる上島竜兵メソッド」とでもいいますか、そういう方法をとった方がいいように思えます。「あれ、ここは行っておいた方が俺、アタシ、人気者になれるんじゃね?」という、それで飛び込ませるという、罠といってはなんだけれども、そういう方向がいいかもしれない。それによって、こう、内心の罪をですね、解き放ち、自由になれるのです、彼らは。また、それによって、犯罪行為が明らかになり、法により裁かれ、また、被害者が補償される、そういう流れになるのではないかということです。
 もちろん、過度の晒し上げによる必要以上のリンチ、アーカイブされることによる、半永久の裁き、人違いなどによる冤罪、またそれに対して一切責任を取らない、取りようのないネットのあり方など問題点は多々ありますが、ネットのこの、告白させる機能、それが飲み屋のカウンターで行きずりの客に告げる、まあたとえば「あの強盗事件って知ってるか、実はあれよ……」的な、そんなものではなく、世界に向かって宣言させる、そういうところは、大切にはぐくんでいき、なおかつそれが知られますと、自白しにくくなるという、その空気も読み、また、無駄な延焼が起こる前に警察がおさえる必要もあって、警察官の電脳化でありますとか、事前に犯罪の芽を探し出し、これを除去する攻性の組織作りですとか、そういったものが、必要になってくると、そう考えるわけであります。ありがとうございました。