キム兄、映画監督に

 お笑いタレントの木村祐一(45)が、長編映画の監督に初挑戦することが17日、分かった。倍賞美津子(61)主演で、昭和20年代のニセ札事件を題材にした「ニセ札(仮)」(来春公開予定)。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080618-00000032-sph-ent

 お笑い芸人が映画監督に。先鞭を付けたのはビートたけしということでいいのだろうか。それはありなのか。ありではないのか。現代日本においてお笑いというジャンルはアホみたいに広い裾野と、それによるバカみたいに高い山になっている。その山の上の方まで登ってきて、われわれがテレビでちょいちょい見られるような芸人は、表現者としてかなりのポテンシャルを持っているはずだ。そのポテンシャルが他の分野にも通用するのはおかしなことではないし、むしろ別ジャンルこそ本領を発揮するケースだってあるかもしれない。そういうわけで、それぞれのジャンルに打ち込んできた人間にとってはおもしろい話ではないだろうけれども、お笑い分野の人間には高い可能性がある、俺はそう思う。人間としてのエネルギーの絶対量がある、そう思う(と、言いながらお笑い芸人の書いた本を読んだこともなければ、本当に本人が書いているのかどうかも知らないのだけれど)。
 ……といったところで、ダートチャンピオンが芝で惨敗なんてことは何度も見てきた。かならず通用すると言っているわけではない。通用する下地がある確率は、そこらで歩いている人にやらせるよりも、格段に高いんじゃないのか、ということだ。そして、この木村祐一の例はどうだろうか。俺は、面白そうではないかと思う。
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 思い浮かんだのは、この『松ヶ根乱射事件』。この中で木村祐一の演じる悪人は見事だったし、映画の空気があったように思う。他のドラマ、映画に出演したときどうだったか知らないが、今度の映画もこの『松ヶ根』に通じるような内容っぽくもあって、俺としては期待の針がポジティヴの方に振れている。料理が得意な人は小説家に向いているという話はあるが、さあ映画監督ではどうだろうか。
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 そういえば、松本人志の『大日本人』をちょっとだけ観た。ちょっとだけしか観なかったというのは、まあ色々あるのだけれど、ちょっと観ただけで全部見なくていいかなと思ったけれども、それもどうかと思うのでいつか通してみようと思う。