WBC世界フライ級タイトルマッチ 内藤大助vs清水智信

実況的メモ

清水の入場。本当にベビーフェイスやわ。テーマも正統派。そして、内藤。ロマンティックが止まらない! どっちもいい顔だ。こちらは各国レフェリーとジャッジ。 

1R 想定されていたような両者のスタイル……。さっきの試合との違いを感じていたりしたら、どっちが優勢かよくわからない。少し清水? 単なるベビーフェイスってやつじゃねえぜ。9-10
2R ジャブの差し合い。清水のストレートが突き刺さるか、内藤のフックが刈り倒すか。ここも清水と取りたい。9-10
3R 清水ペースではないだろうか。内藤はもらいすぎているような。しかし、清水へのボディ、これの蓄積が今後どうなっていくか。9-10
4R 内藤のペースにはならない……が、ここは清水も優勢に見えず。うーん? ちょっと内藤?10-9
ここまで、俺はここまで清水持ち。ジャッジ一人とマッチ。
5R 内藤ややアグレッシブに。清水も負けじと距離を取ろうとする。やや内藤? 互角だ。10-9
6R 内藤変なモーション。足鳴らしフェイント。若干内藤か。10-9
7R 打ち合いになると内藤のフックが見栄えする。クリンチ時の連打も。清水のパンチも冴えるが、ここは内藤。10-9
8R スタートと同時に内藤ダッシュ。内藤のパンチが顔面をとらえるシーンが多く。あえて言おう、老獪と。10-9

77-75 俺は内藤だけど、ジャッジは完全に清水寄り! むむむ。

9R  ジャッジの影響もあってか、清水有利に見えた! 内藤はもっとボデーを打って行くべきだったか?9-10
10R KO!!!! 逆転KO!!!! この階級にしては高いKO率!!!! 凄い!!!! 魅せてくれる!!!! 清水かっこよかったぜ!!!!!

 び、びびった!! か、亀田興毅? ブー、ブー、ひっこめー、でもちょっとおもしれー。で、内藤節炸裂ー! さ、サンデージャポンて。律儀。うーん、亀田の乱入(?)はありだと思うけど、タイミングがちょっと残念。むしろ、坐ってる亀田に、内藤が呼びかけるような感じがよかったか? 亀田も中途半端にいい子ぶんなよなー!

採点表

(※神奈川新聞スポーツ欄を参考に作成。正確性は保証しません。必ず主催者発表のものでご確認下さい)
内藤 R 清水
9 10 10 9 1 10 9 9 10
9 9 9 9 2 10 10 10 10
9 9 9 10 3 9 10 10 10
10 9 10 10 4 9 9 10 9
10 9 9 10 5 10 10 9 9
10 10 10 9 6 10 9 9 9
10 10 10 9 7 10 9 9 9
10 9 9 10 8 10 10 10 9
9 9 9 9 9 10 10 10 10
86 84 85 85 87 86 87 85
 この採点は全般的に裏食った。実際のところ10-10つけたいような、ようわからんラウンドが多かったけど、俺は4Rあたりから若干内藤のペースになっていったように見えたのだけれど。あんまり流れとかペースとか考えると、その軌道で見てしまうからいけないのかな。清水の的確なスタイルを重視したのが公式ジャッジ見解か。俺は俺で、やっぱり少し内藤びいきのところがあったかもしれない。でも、清水にそのまま勝ってもらってもよかったけどな。まあ、完全に裏を食ったラウンドはないのでよしとするか。
 と、まあ、素人ながらも採点ごっこしてみるのは面白い。面白いというか、すっきりする。このきっかけを作ってくれたのは亀田だった。亀田興毅ランダエタの一戦目。「どう考えてもランダエタの勝ちだろ!」と思う一方、「自分はこのラウンドはこう見た。その結果の足し算でランダエタの○ポイント差だ」と言えなかったもやもや、歯がゆさ。たとえ出鱈目な印象でも、自分なりにつけておくに越したことはない、そう思う。

感想

 というわけで、試合の感想は上のようなもの。坂田のエンジン点火が早めだったのに対して、内藤はなかなか自分のペースにならず。解説の言うとおり、少し固かったのか、それとも清水のテクニック、対策がよかったのか。おそらく両方か。しかし、清水の倒れっぷり、そして涙にはグッときた。俺が女だったらどうにかなってしまうかも。
 と、そしてやはり触れなければならないのは亀田興毅の乱入だろう。一夜明けても大まかな感想は上に書いた通り。亀田が絡んでくるのはいいが、タイミングとやり方が悪かった。最悪に近かった。まず、やっぱり内藤節が聞きたいわけじゃん。もしも絡んでくるなら、そろそろインタビュー終わるかな、というあたりでいい。なんだあの中途半端なタイミングは。そして、いきなり土足でリングに上がってくるか、というところ。今まで本当の戦いが行われていた、神聖な場だぜ。金的目つぶしがいきなり上がるのは不愉快だ。それに今は日本のリングで戦えない身分、リング下から吼えればいいじゃん。
 そしてそしてさらに、あの場に役者が足りないということ。なんで坂田がいないの。協栄ジムの金平が言うとおり、亀田はWBAの1位であって、こちらとやるのが筋。それに、亀田対協栄の遺恨もある。もちろん、坂田に「アイム坂田、オラエー、ふざけんじゃねえぞ、クソ亀!」とか言ってほしいわけじゃない。ちょっと出てきて「ぼくも忘れないでください」でいい。うしろから金平がすごんでみせてもいい。あるいは、負けた清水が出てきて、亀に向かって「世界王者の前に日本人とやりませんか」でもいい。せっかく層が厚いのだから、絡み絡んで、紡がれていけばいい。
 ……それじゃプロレス? でも、いいんじゃねえのか? そういうことがなさ過ぎたから、そういうものを与えた亀田家みたいなのに食い荒らされたんじゃねえの? いや、俺は古くからのボクシングファンじゃねえから言う権利はないけれども、しかしそう見えてしまう。亀田が批判されるのは、中身が伴ってないのにアッピールばっかりしていたからで、中身のある相手とやれば亀田大毅のあの様を露呈するだけの話。もちろん、団体やジム、プロモーター、放送局、簡単に試合が組まれるものではないし、試合後のボクサーにパフォーマンスをしろというのも酷な話だ。常に引退とぎりぎりのところでやってるのがボクサーだ。無茶なお願いだってのはわかってる。やらせすれすれ一歩というのもわかる。でも、なんとか連続性をもって見せてもらいたい。リングの上が本物なのだから、さらに面白いはずだ。まだ知名度の高い亀を踏み台にすればいい。内藤が大毅を踏み台に、「国民の期待」になった(ガッツ石松具志堅用高輪島功一、もちろん現役時代のことは知らないが、今の内藤みたいだったんじゃないかと想像する。そして今後の内藤も)ように。それで地上波が増えてくれたら、ありがたい。俺はそう思う。
______________________
追記:

やっぱりTBS公認…亀田興毅“乱入”の舞台ウラ
内藤陣営「知ってましたよ」

http://www.zakzak.co.jp/spo/2008_07/s2008073101_all.html

 あっさり露呈するTBSの嘘。俺はああいうやりとり自体の大枠には賛成、すなわち内藤の言うように「知名度がある選手がああいうパフォーマンスをやるのは大賛成」的な立場なんだけれども、こういうTBSの立ち回りはアホだと思う。ただでさえ、ボクシングの競技面や信頼性の部分でおかしなことをしてきたとされる身なのだから、すぐばれる嘘をつくことはないだろう。そして、亀田を上げるならば、金平にも話を通しておけ。そして、坂田と金平を引っ張り出した上で、

「本当に内藤とやるのなら、今回、きっちりと強さを示した坂田ではなく、苦戦した内藤を選ぶということ。私は興毅が『坂田から逃げた』と声を大にしていう」

 って、微妙に内藤をdisってるコメントが出たら、そりゃ盛り上がるだろう。「プロレスみたいなパフォーマンス」なのは確かだけれど、はっきり言ってボクシングのマッチメークのいろいろなものが絡み合った機微を察してくれって言われても困る。別にそこで契約書を書け、捺印しろって言ってるわけじゃない、なんか「to be continued」を見せて欲しい、そういうことだ。
 まあ、はっきり言って、試合後の坂田、内藤、亀田の三者睨み合いなんてもんが現実的なもんとは思わない。TBSだって、てめえのそろばんで内藤―亀田を押したいだけだろう。でも、このあたりを頭っから否定してたら、ちょっとつまらない。マッチメークのなんやかんやはあるんだろうけど、判で押したように「誰とでも闘います」じゃ、ちょっとつまらない。ほっといてもボクシング本体が面白い(目つぶしや金的は本体にあらず)のだから、さらに面白さが強まればいい。