皮膚科へ

 数か月ぶりに皮膚科へ。昨夜のように遅くまで仕事をしていると症状が目に見える。いざというときのために確保してもいいだろう。ビルの前。看板がない。まさか、なくなったのか。とりあえず中へ。エレベータ横の案内板には名前がある。登る。営業していた。営業していたどころか、満員の盛況。
 症状は前と同じ。数か月ぶりでいいのかどうかわからないが、素知らぬ顔で「くすりのみ」の方へ保険証と診察券を落とす。二番目に名前を呼ばれる。「今日はお薬だけでいいですけど、次は診察してくださいね!」と言われる。自分の前に呼ばれた老人も同じ事を言われていた。いかなる措置か。
 同階の薬局でたぶん謎は解ける。皮膚科と連動して来週一週間休み。駆け込みの客でごったがえしていた。おまけにあの老医師は話が長い。
 そんなことを考えていると、また名前を呼ばれる。クラリチン、そして見覚えのない薬。「ピロラールは製造中止になりましたので、まったく同じ成分のこちらのお薬になります」。その名はインベスタン。トリスタンとイゾルデクラリチンとインベスタン。
 合計の出費は三千円ほど。蚊にも刺されていないのに蚊に刺されたようになっている不快感を考えれば、「買うか買わないか迷う」ということはありえない。しかしながら、正体不明の慢性蕁麻疹に罹らなければ、無用であった出費であった。三千円払うのにためらいはないが、当たり前のように三千円抜かれるのは面白くない。あまり面白くないのだ。
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○ピロラールについて。

 こちらによると二〇〇三年の七月には「製造販売中止品目」に挙げられている。俺はそんなに古い薬を今年の四月に飲んでいたのかと思う。

が、しかしこちらのリストによれば「販売中止。経過措置期間終了(平成20年3月31日)」とあるので、俺はピロラールの最後を看取ったとも言える。

 インベスタンはジェネリック医薬品のようで、ほかにも種類はある。ピロラール自体もタベジールという先発医薬品のジェネリックらしい。