世界の野球野郎どもに祝福を

▽韓国・金卿文監督 北京にくるまでは準決勝進出か銅メダルがいいところだと思っていた。金メダルを取れるとは私たちは最高に幸せ者だ。個々の技術が他の国より上回っているとは言えないが、結束力はどこにも負けない。
キューバパチェコ監督 韓国の柳賢振投手は内角を突く投球はすばらしく、打者は押されていた。次の五輪から、このような熱狂的な試合を見せられる野球がなくなるのは残念だ。

http://mainichi.jp/enta/sports/general/general/news/20080824k0000m050110000c.html

 日本が惨めな醜態をさらした夜の決勝戦。どちらを応援するでもなく、途中から見始めたのだんだけれども、知らぬ間に見入っちまった。名勝負だ、名選手たちだ。一つ一つのプレーの緊張感が違う。はっきり言って、今回の星野ジャパンは、この聖域に入れるだけの資格がなかった。そう思ったぜ。けれど、こんな日本の野球を見たことがある。前回のWBCだ。WBCの日本代表は、まるで漫画の主人公みたいだった。この日の主人公は、結果的に韓国だったわけだな。最後は一本の差だったぜ。おめでとう。
 しかし、この試合に映し出された、両軍のベンチのおっさんたちの顔、顔、顔。『シルミド』かと思わせる、軍人みたいな韓国の監督やコーチに、刻まれた皺、眼鏡、ヒゲ、一癖二癖ありそうなキューバの首脳陣、どいつもこいつも渋くて濃い、いい顔じゃねえの、野球の顔じゃねえの。どう見てもメタボの山本浩二田淵幸一じゃあ駄目だっての(←このあたり、もう単なる印象批判です)。
 ああそうだ、キューバの監督の言う通りだ。とても残念だ。でも、お前ら、この世界でずっとよ、最強アマ軍団やって、大リーグやNPBの高年俸とも無縁でさ、そんなすげえ場の維持に役立てなくてごめんな。また野球やろうぜ。
 それから韓国よ、もうお前らがアジアの盟主でもなんでもいいよ、昨夜はそれを許そう。先発ピッチャーのよ、あの江夏豊か天才前川かといった、それで背番号99は張誌家かってふてぶてしい左腕よ、実にいいピッチャーだったぜ。兵役免除されてよかったな。どんどん野球やってくれよ。今度リベンジすっからさ。
 ああ、本当に今回の日本代表は申し訳なかった。団結力も個々の力もなにもかも欠いて出てしまった。五輪を、野球の国際舞台をなめてしまった。星野仙一も、日本のファン以外にも謝るべきだ。謝って許してもらって、それで世界の野球野郎どもと、また真剣勝負やろうぜ、アメ公も本当の本気出してさ、みんなで野球やろうぜ。応援するからさ。じゃあ、またな。