日清スープヌードル

 いろいろなものの値段が上がって、インスタントラーメンのたぐいなども割高な印象がつよくなってしまって、いよいよほとんど買わなくなって久しい。しかし、このあいだスーパーの売り場を珍しく通りがかったら、定番の日清カップヌードルが100円とあった。このごろでは珍しいものだと手に取ってみると、日清は日清でもスープヌードルとあって、はたしてスープヌードルとは何であるかパッケージをくるくるまわしてたしかめてみようにも、これといってわからない。スープというからには麺が入っていないのかと思い、少しふってみると麺の気配もあってますますよくわからず、とりあえずそれをかごに入れてみた。
 めずらしく部屋にいられた日曜日のひるのこと、かういふ機会を逃してはこいつを食べることはないだらうと、おなじみの包裝を破つてみると、ふたをとめるためのシールの部分に「スープヌードル」と印字されているほかは、まるでカップヌードルとかわらない。スープを強調するからには、スープとして飲みやすいような薄味なのかしらんと思いながらたいらげる。

 調べてみるとスープヌードルというのが世に現れたのは2006年の3月ということであって、よくよく僕もきづかなかったものだと思う。さらにいえば「それぞれのカップヌードルシリーズのスープと同じです。食べなれた安心感のある味を十分にお楽しみいただけます」などと書いてあって、薄味かと思った自分の舌のいいかげんさを思いしらされる。けれども、それほどカップラーメンを食べてこなかった、健康な舌なのではないかとも思う。
 これよりますます食料品の値段などはあがっていく一方であるだろうし、あるいはスープヌードルというものがカップヌードルを追いぬくようなことがあるかもしれない。しらずしらずのうちに量を減らすような加工食品もあると聞くし、きづかないうちに日本人がダイエットしているようなことになれば、それはそれでもっけの幸いなどと言えるような気もするのだけれど。