デジタル記事も古新聞化させよ

この日、UALの2002年の破産申請に関する古い記事が、新しい記事であるかのようにGoogleのニュースサービスに現れた。UALの親会社 United Airlinesの株価はすぐさま約12.50ドルから3ドルに急落、NASDAQ市場は取引を一時停止し、UALは新たな破産申請はないとする声明文を発表した。

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0809/10/news095.html

 僕がこの話題を見て最初に思い出したのは日刊スポーツのサイトのことだ。いつだったかのリニューアル以来、「ニュースランキング」なる項目ができたのだ。

おそらく、クリック数に応じたランキングではないのかと思うのだけれど、2008年9月11日の午後1時前後では、次のような並びになっている。


イチロー死球は知らんふり
イチロー5の4、200安打まであと10本
朝青龍ビビッた、休み返上でけいこ
西川史子お泊まりデート相手は元葛飾区議
5 渡辺会長「土下座しても」WBC王監督
西川史子青木さやかうらやましくない」
7 「4本は大きすぎる」/イチロー語録
8 男子高生にみだらな行為で客室乗務員逮捕
9 元若ノ鵬大嶽部屋訪問、納谷氏らに謝罪
10 「打つかどうか迷った」/イチロー語録

 この中に仲間はずれがひとつだけあって、それはなにかといえば『6 西川史子「青木さやかうらやましくない」』であって、ほかの記事が2008年9月10、11日前後であるのに対して、これのみは「2008年10月28日」付けのものだ。ようするに、西川女史が「青木さやかうらやましくない」としたのは去年の話。
 むろん、こうなった理由は言うまでもない。『4 西川史子お泊まりデート相手は元葛飾区議』の記事の下に関連ニュースとして……あれ、ないな。ないね。

西川史子青木さやかうらやましくない」 - 「年収4000万円以上の人しか興味がないので」。日刊スポーツ(2007年10月28日)

 いや、見つけた、Yahoo!だ。Yahoo!から記事へリンクが直で貼られている。Yahoo!の方には上のように日付が入ってる。が、ともかく貼られた方の日刊スポーツの「ニュースランキング」では、いつの記事だかわかりはしないのだ。こうなると、先に「西川お泊まり」を知っていた読者は、それをもとに「青木さやかうらやましくない」と、こうなったのではないかと関連づけをするのが当然ではないだろうか。そしてまた、今回の続報であると思い、新たに日刊スポーツトップページからクリックする読者も少なくないと信じる。それでまたランキングは走り出していく。
 もちろん、きちんとクリックして記事にあたり、URIや日付を見れば、それがいつの記事かわかること。とはいえ、そこまで見ない人も大多数であって、これが西川史子取引ロボットととなれば機械的に「西川史子売り」の判断を下すだろうし、いずれにせよ女医はどスケベと相場が決まっているとはいえ、西川史子相場が大混乱をきたす可能性だって捨てきれないわけだ。日刊スポーツにしてみれば、誤報でもなく単に古い記事を読まれているだけなのに、ドSの西川女史に酷い目に遭わされるうらやましい事態におちいるかもしれない。これは怖い話だ。
 だから、古い記事は自動的に色が薄くなる、とか、セピアカラーになる、とか、そんなルールでも作ってもらいたい。あるいは、ブラウザの働きでもいい。Webのセマンティックが止まらないならば、そんなの簡単でしょう。それによって、古いニュースを新しいニュースと勘違いしてびっくりして、人に話して赤っ恥をかくという可能性だって減らせる。今回の件はたかがUAL株価暴落でよかった。でも、西川女医に何かあったら問題だ。古新聞は古いという可視化を、ぜひ。いや、僕にはできないけれども。

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