ローブデコルテの引退/競馬の「感じ」秋天について

 昨年のオークスを勝ったローブデコルテ(牝4歳、栗東・松本茂樹厩舎)は、明日30日付でJRAの競走馬登録を抹消することになった。

http://keiba.radionikkei.jp/keiba/news/entry-158027.html

 昨年のオークスには、たしかよい記憶がある。やっぱりあった。そうだった、うまく獲れたのだった。ありがとう、ローブデコルテ。そして、これからもその記憶を活かそう。なんとなく距離不安じゃねえのと思っても、福永が「オークスオークス」言ったら買い、だとか、コジーンの血統とか、ともかく、このオークスの感じ、を。
 感じ、馬の、レースの感じだな。たとえば今年の秋の天皇賞ディープスカイという三歳馬が挑戦する。三歳馬の秋天。俺の「感じ」でまず思い出されるのは、ジェニュインの二着だ。

 この天皇賞ハシルショウグンが出てきて、カネツクロスが惜しくも除外された秋の天皇賞だ。このジェニュイン。サンデーサイレンス旋風。「四歳(当時)で秋の天皇賞まで持っていくのか?」と、レース前は思ったもの。この、ジェニュイン。そういえばこのレース、高校の文化祭の日で、学校抜け出して商店街の電器屋のテレビで見たと思う。

 そしてこの天皇賞。1馬の出走表を切り抜いてビニールブックカバーにしていたくらいのレース。今見ても本当にすばらしいメンバー。今年の秋の天皇賞は豪華かもしれんが、この面子には負けると思う。そして俺のカネツクロストウカイタローと競って、負けたなあ。で、ここで勝ったのはバブルガムフェロー。鞍上は蛯名正義で、このときまだたしかG1童貞。「G1で勝てないエビショー」というイメージが根強いときだった。でも、勝ったね。たいしたもんだ。

 そんでシンボリクリスエス。と、こうなる。このあたりが俺のイメージ。アドマイヤムーン牝馬はおいといて。で、こうジェニュイン、バブルガムフェローシンボリクリスエスというと、府中の直線をサクラチトセオーみてえにブッ差してくるタイプとはいえない。先行して抜け出す印象。ディープスカイとは、ちと違う。
 ……が、それがなんだっていうのか、よくわからん。ただ、「あのときのバブルみてえだ」という買いのシグナルは点灯しないというだけ。もちろん、相手も何もかも違う。けど、思い出すことも無駄じゃないだろう。昔話は、たまに引っ張り出さないと消えちゃうしな。