夢のメモ

三度生きて三度目には失敗しなかった。同じだがわずかに違う。登り電車は下り下り電車は登る。三度目の世界を壊さないように努めた。この世界はこのように私によってありうるのだと。最初あるいは最後の塵芥、一粒、一点の作り出す、何通りもの、ありとあらゆる可能性、繰り返され、同時にある。私はそのことを、愛するあなた、あなたの悲しみにどうしても伝えなくてはいけないと、強く思い、強く思い、強く思って、目をさましてしまって、今こうしてその世界の外のことを書き留めている。啓示する夢、三度目には失敗せず、ありきたりの幸福を得られる。電車はあべこべのホームに入り、またその場合の世界は根本からそうだった。しかしそれは塵一つの映し出す一つの仮の像でしかないのだ。世界の数だけ繰り返し述べも尽きることのない言葉。あらゆる悲しみ、しかし三度目には失敗しなかった。幸不幸の現れ方はゆらぐ波の山と谷のある仮の時点の仮の見え方に過ぎず、本来は一本の直線に過ぎず、その線も本来は一つの点の見る夢に過ぎないのだ。愛しいあなたの悲しみは同時に三度目の世界の幸福である。そのことを私はどうしても伝えなくてはならず、目覚めて
なおうち震え、こうして書き留めているのだ。