流れよ我が涙、と小室哲哉プロデューサーは言った

音楽プロデューサー・小室哲哉氏(49)(東京都港区)が音楽著作権の売却を持ちかけ、兵庫県芦屋市の会社社長(48)から5億円をだまし取ったとして、大阪地検特捜部は4日朝、小室氏に任意同行を求め、詐欺容疑で取り調べを始めた。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081104-00000002-yom-soci

 友達以上容疑者未満、だから小室メンバー、もとい小室プロデューサー。落日、昔日、さらば栄光の日々、ときには起こせよムーブメント。しかし、ひょっとしたら今の小学生、あるいは中学生にとって、この日本が小室の国であったことを知っているのかどうか。「内田裕也は大物らしいけど、音楽的にどのようなスマッシュをしたのかいまいちよくわからない」という我々の感覚に近いのかもしれない(しかし、内田裕也については、かなり年上の人に聞いてみても「いや、よくわからない」と答えが返ってくること多し)。
 ともかく、小室ブームであった。今朝のワイドショーで、小室氏を印税的に助けようとするためかどうか知らんが、ヒットパレードをやっていた。「My Revolution」というと少し自分の年代からは外れてしまう(まだ幼稚園くらいで、流行曲に対して意識がなかった)が、「EZ DO DANCE」だの、「恋しさと せつなさと 心強さと」だの、「BOY MEETS GIRL」だの、「DEPARTURES」だの、「I'm proud」だの、「CAN YOU CELEBRATE?」だのと言われたら、はっきりいってそれらのCD一枚も持っていない俺ですら、なんとなくサビの部分は思い出せるという代物。ついでにスト2ブームだのなんだのを思い浮かべるという代物。まさに流行歌であった。二十年か三十年かの後に、NHKで「なつかしヒットサウンド一世風靡したTKサウンドがいま甦る〜」などという番組が、平日の八時台に流れたっておかしくない。それで、その未来の流行歌手やアイドル(第十世代初音ミクなど)が歌ったりしたっていいかもしれない。しかし、しかし、これでは、こんな逮捕(予定)では、その雲行きもあやしい。
 と、もう少し話を巻き戻すと、これまたオタ寄り同世代には多いパターンかもしれないが、TMNTMネットワーク)の「Get Wild」であり、「BEYOND THE TIME 〜メビウスの宇宙を越えて〜」ということになりはしないだろうか。そうだ、俺なんかは洋楽かぶれの中二病まっさかりで、クラスメートのTMNなどを遠くに見ていたが、やっぱりイイ曲は多かったんじゃねえのって思うよ。ああ、だから小室よ、TKよ、「違うよ。全然違うよ」と言ってよTK……。
 ああ、それと、朝から俺の頭の中でリフレインする、俺がTKの時代に聴いていた一曲を紹介しよう。Babylon Zooの「ALL THE MONEY'S GONE」。

追記:

小室哲哉容疑者を逮捕 著作権譲渡で5億円詐欺

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081104-00000505-san-soci

 逮捕した瞬間に容疑者に変わるのではないだろうか。「小室哲哉氏を逮捕」したら、「小室哲哉容疑者」になるのでは。……って、別にこんなの法的な裏付けはなくって、マスコミ内ルールだっけな。どうでもええことよ。しかし、なんだっけ、詐欺罪というのはかなり‘騙す意思’がはっきりしていないと適用されないもんだったんじゃないのかね。食品偽装とかでも、なんかそういう印象。民事もやってたんだっけ。まあ、もちろん、逮捕の段階。起訴すらされていない。ましてや有罪になるかどうかはまだまだ先の話であって、現在では何とも言えぬ。犯罪者扱いはできない。できないが、かつて一世風靡した番付入り長者が、詐欺で逮捕というだけで、やはりそれは伝えられるニュースであり、思わず反応してしまう、くやしいけど感じちゃうニュースであるようには思える。
 「有罪が確定したわけでもないのに、逮捕されただけであたかも犯罪者のように国、世間、マスコミから扱われる」というのは、例の有罪率99%話とともに考えられるべき問題ではあると思う。しかし、何か事件が起こり、すべては裁判の判決まで伏せられるなどというのも、何か秘密主義国家めいていて怖い。また、そもそも有罪者は罪状に応じた法の下の刑罰を受けるべきであり、社会的制裁はすべきではない、という考え方もあるのかもしれない(実際そういう主張があるかどうか知らない)が、そのあたりもやはりどこかバランスは取って、それなり知られていかなければ、なかなかよろしくないように思える。有名が有名によって得るところがあるならば、逆に有名税、有名罪のリスクも伴う、といったように。よくわからないが。