『アンラッキーヤングメン2』藤原カムイ×大塚英志

アンラッキーヤングメン 2 (単行本コミックス)
 ますます分厚い2巻。物語は進み、それぞれの道へ……、なんだけれども、その事件の裏側みてえな、そのあたりの展開は、正直ピンとこなかった。それで、もっとゾクゾクするような、暴力と革命、集団と個人、肉体と死に向かっていってほしかった。追い詰められる感も少ない。少しさっぱりしすぎというか、そういう感じ。もっとドロドロのぐちゃぐちゃの、それで最後すっきりみてえな、そういうのが。なんかやっぱり、藤原カムイの絵はきれいすぎるというか、肉汁感が足りないというか、胃のあたりにじんわり来るような怖さがないというか、あんまり汗が似合わないというか。そのへんに無機質な怖さがあるかというとそうでもなく、かといって石川啄木のうたが入ってくるスタイリッシュな構成のかっこうよさったらないのだけれども、やっぱり俺はもっとこの時代に肉と血と精液を求めているのであって、物足りなさが残ったのであった、っと。