親不知子不知仏不知

そして俺は、googleで、「親知らず 激痛 死」などというキーワードを入れては怖ろしい話を読んで、仕事どころではないのです。

2007-08-06 - 関内関外日記(跡地)

 親知らずのトラブルは恐ろしい。想像しただけで身震いする。そんな親知らずの脅威に、家族のうちの一人がさらされているようだ。顔半分が激痛で引き攣るようだという。口腔外科、などという単語も飛び交っていたようだ。おまえ、あのさ、えー。うわー。俺の、俺の親知らず、今さらながら、横向きに伸び盛りだったらどうする? オエー。コエー。
 これは拷問だ。なんでこんな拷問を神あるいは空飛ぶスパゲッティーモンスターが人間に課したのか知りたい。虫歯ならば、ある程度は予防ケアもできよう。しかし、歯茎の地中深く、なんか歯がさ、横向きに生えていました、なんての、どうすればいいの? なんでこの宿命。ちょっとおかしいと思う。人類進化のうちに解消できなかったのは人類が悪い。頭がおかしい。先祖。ダーウィン。それで、ほっぺたに鑿を突き立てて、ガッツンガッツン歯茎を骨ごと持っていくわけでしょ(違うと思う)? ああ嫌だ、痛いの怖い。怖すぎる。
 そうだ、痛いと言えば、弟がひょうそ(ひょうそう? 「ひょうそ 激痛 死」と検索すればいいかしらん)になったときの話だ。爪の隙間にぶっとい麻酔用の注射針をぶち込まれて、死ぬほど痛かったらしい。どこのソ連の拷問か。はっきり言って、こんなの日記に打ち込んでいるだけで手に汗が滲む。これも理不尽だ。
 ともかく、今後の医療が目指すべきは、飲み薬による超強力な全身麻酔だろう。危険性なんかどうでもいい。痛くないなら死んでもいい。そうじゃないのか? もしそんなのが使えるのならば、俺は献血に協力するかもしれない。注射とかいうものもおかしい。針を肌に突き刺して、血管だの筋肉に薬剤をぶち込むなんてのは、正気の沙汰ではない。暴力だ。変態だ。それが医療行為などといって大手を振って歩いている。歩くなと言いたい。
 これは本当に、末法の世ということだ。こんな世の中で、人が愛や夢について語れるものか。平和や富が分かち合えるものか。全部、親知らずが悪い。虫歯が悪い。痛いのが怖い。痛みが人間の歴史を歪めてきた。これからも歪め続ける。人類は、痛くないように進歩しなければいけない。そのために、人間の遺伝子をすべて痛くないように操作するくらいのことがあっていい。すべては痛くないように、痛くないように。そうしてできた世界に、「痛みを感じてこそ人間らしく生きられる」などという正義のレジスタンスがあらわれても、そんなもの俺は認めない。絶対に認めない。認めないったら認めない。

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