ミスター渡りのハードボイルド・ワンダーランド



「内閣人事・行政管理局」への機能移管をめぐり、政府と徹底対立した人事院。そのトップである谷公士(まさひと)総裁は平成13年に郵政事務次官を退任後、財団法人などを渡り歩いてきた人物で、政府・与党内からは「ミスター渡り」との声も出ている。

http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090203/plc0902032151018-n1.htm

 この‘ミスター渡り’氏、ちょくちょくニュース映像で見かけたり、今朝みのもんたの番組で見かけたりするわけだけれども、なんというか、存在感あるね。見た目から、これこれこういう人間だ、というものが伝わってくるようだ。いや、「これこれ」の内容はわからんのだけれども。
 なんというのだろうか、たとえばタモさん、田母神俊雄航空幕僚長、あれはなんというか、軽かった。それに比べて、この谷公人。風貌から、髪形から、なんというか、むしろこっちが昭和の軍人みたいだ。「あれ、あなた御前会議に出てなかった?」という感じがする。海軍というよりは陸軍っぽい。いや、やっぱりその上の軍部、陸軍参謀本部っぽい、そんな感じだ。そのままソクーロフの『太陽』の隅っこに映ってても大丈夫、という感じだ。
 で、そんな感じだからどうなの? といわれると、「いや、別に」というところ。天下り、渡り、だいたい特別な意見を持っているわけではない。ただ、多少は、国家官僚よりは下の方の世界で、天下りの害というか、そういうものは、仕事の上で、たまに見ているつもり。でも、人事院がいかなるもので、これこれこういうもんだ、というところまではようわからん。ようわからんが、この谷氏の存在感というのは、ゆめゆめ甘く見てはいけない、そう思う。俺は賢いものに憧れて、できれば自分も賢いものの仲間入り、権威の仲間入りしたくてしょうがない人間であって(それと同時に、そんなことのために一秒の努力すら払いたくない人間であって、実際にそんなものはごめん蒙るという意識が強い。また、そんな意識があったところで賢くなれる自信はない)、その点で、正直、なんか気になるあたり、これは要注意という、まったくもってよくわからない、そんなところがあるぞ、っと。