粟生に拍手、長谷川に唖然

粟生に拍手

 WBC世界フェザー級3位粟生隆寛(24=帝拳)が同級王者オスカー・ラリオス(32=メキシコ)を3−0の判定で破り、王座を奪取した。序盤から優位に立ち、最終12回には右フックでダウンを奪うなどジャッジが最大12ポイント差をつける完勝。

粟生、21年で世界奪取!/ボクシング - 格闘技ニュース : nikkansports.com

 粟生は序盤から圧倒していた。スピードでラリオスを飜弄し、ディフェンステクニックで相手に何もさせない。ラリオスが超接近戦の潰し合いに持ち込んできても、パワーで負けない。危ないシーンはわずか。俺の採点(というほどボクシング知識はないですが)でも、わずかに2Rラリオスが獲っただけだった。
 ……なのだけれども、終盤は少しやきもきさせられた。実況も解説も「KO、KO」と言い、観ているこちらも、できればKO!と、まあそれが高望みでもないペース。しかし、決めきれない。元王者たちの「狙うな、狙うな」は、おそらくもうそこでは返り討ちのリスクなど考慮にいれず、一気にぶち込むところだという、そういう理屈を超えたような勝負勘みたいなところだろう。
 でも、粟生は行ききれない、ように見えた。でも、それでいいんだ、とも思えた。前回の序盤ダウン奪取から巻き返されての判定負け。相手はリアルな2階級王者。パンチは生きているし、ハートも折れていない。慎重に、最後まで、最後まで、そういうところがあって当たり前だ。むしろ、最終Rでもつれるようなダウン獲って上出来だ。上出来だけど、反省点が残った。でも、新王者なんだぜ、それでいいじゃねえか。インタビューよかったよ、拍手、拍手。
WBC世界フェザー級タイトルマッチ 粟生隆寛 vs オスカー・ラリオス - 関内関外日記(跡地)……最初の粟生vsラリオス。自分の採点では粟生が勝ったことになったが、自分の感覚ではラリオスの勝ちだと思った。

長谷川に唖然

 次元が違った。19センチのリーチ差をスピードで上回った。開始1分16秒にはカウンターの左ストレートで挑戦者を3メートルも吹っ飛ばした。「普通に打ったら倒れていた」。35秒後に連打で2度目のダウンを奪い、大勢は決した。

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 一方でこの長谷川、粟生に対して「こうやって決めるんだ」と言わんばかりのラッシュ(放送順だとそう見えた)。前の試合も派手に相手をぶっ転がしていたんだけれども、今回も漫画みてえだわ。最初のダウン、相手の得意左アッパーにカウンター一閃。もうなんだかわからんは。フィニッシュも右ブーンと出して、返しの左がこめかみにガチコン。えげつなーい。つえー。なんだよもう、早回しみてえだよ。いやはや。
 というわけで、長谷川穂積は今後どこまで行くんだろう。正直、ようわからん。また、ボクシングのこといろいろ読んでみる。でも、「神の領域」とか言っても、冗談とも思われなければ、反発も買わないであろうアスリート、いったい日本に、いや、世界に何人いるかわからんが(イチローとか、タイガー・ウッズとか?←発想が貧困)、ひょっとして長谷川はその一人じゃねえのかとか、そこまで門外漢が断じていいものかわからんが、なんとなくそうなんじゃねえかと思ってた方がおもしろいので、とりあえずそう思っておくことにする。

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