『けいおん!』の13話は最高の最高だった

 一度でいいから見てみたい、前髪下ろしたきみの顔、歌丸です。『けいおん!』最後の最終回、終わりの13話はすごくよかったです。どのくらいよかったかというと、29歳になってから1年ちょっとアニメを観てきて、いちばん好きかもしれないというくらいよかったです。
 なんか暗いじゃないですか。あの暗さって、すごくいいです。別れの暗さです。未来へ! って行って、11人いる! のがみんな! べつべつに歩み出す、あの暗さです。暗いトーン。童貞ばかりの男子校のボンクラ仲間、でも、あいつにはひょっとして彼女がいたりしたらどうしよう? そういうものの、女子校バージョンを見るような、なんというかのじりじり感。というか、律っちゃん隊員に彼氏でもできたらどうしようという、むぎちゃんに彼氏がいたらどうしようという、その感は、「好きな女の子キャラに男が」というのとは違うのですね。閉じて、満たされた世界が乱されるという、その危うさですよ。
 でも、その危うさは杞憂なんですよ。でも、その杞憂も一瞬だし、やがてくる別々の道なんですよ。それをにおわせるのがいいんです。におわせるといえば、律へのラブレターですよ。髪をおろした律ですよ、唯と見分けつかないですけど、それはいいですよ。それよりも、あれ、最初、「澪の書いた歌詞なんじゃねえの?」って思わせるんですけれども、弟でてくるじゃないですか。それで、弟の友だち出てくるじゃないですか。そうしたらもう、あのラブレターは彼から弟へのもんじゃないかと思うしかないじゃないですか、ミスリードを誘うわけですよ。そこのところがよかったです。あと、あずにゃん2号が毛玉吐くじゃないですか、うちのネコは、よく食べたばかりのドライフードもどして、それを食べてましたよ。
 そんなわけで、どういうわけか、私はこういう最終回が好きなのでした。けれども、そうでないのがいい人もいるかもしれない。だからこそ、12話の盛り上がりを最終回として、こちらの冬の日を番外編として配置した、そこのところはすごくいいと思いました。たいへんよいアニメの、よい終わりかただと思いました。だから、もう一期あってもいいと思いました。おしまい。