緒方孝市の引退

緒方孝市選手が、今シーズンをもって引退することとなりました。

http://www.carp.co.jp/news09/s-037.html

 緒方が出てくると、弟はよく「緒方の真似!」と言って、ケツをぷりっぷりっとやったものだった。「そんなにケツをぷりぷりさせってかなー?」と言うと、「ほら、やってんじゃん!」などと言い返してくるのだった。あれはだいたい、10年も前の話で、そのころ俺は20歳くらいだったので、まあ子供の頃の思い出というわけにはいかない。
 しかし、緒方が老いる、衰えるというのは想像がつかない話ではあるし、本調子になれば今でも3割30本30盗塁くらいできるだろうという、そんな気持ちを抱いて、さて何年になろうか。
 そういう意味で、もはや俺はカープファン、現在進行形のカープファンとはいえないかもしれない。あるいはもう、プロ野球のファンといえないかもしれない。立浪が引退するといっても、まるでピンとこない。まだ、ルーキーだろう?
 しかし、俺は優雅で感傷的な、追憶の中の日本野球ファンではあるといえるかもしれない。そこでは緒方も衰えないし、緒方耕一だって現役だ。立浪はルーキーでスタメンだし、中村武志はベンチ裏で星野に殴られている。佐々岡が高速ドロップを放り若い松井秀喜を凡退させれば、ディアスは東京ドームの左中間にホームランを叩き込む、中村武志はベンチ裏で星野に殴られている。
 そういうわけで、緒方は俺の中の永遠の一番打者だし、最高の右打者だと思うし、衰えを知らない鉄人なのだし、俺の考える日本代表の外野の一角を占めて誰かに譲るということはないのだ。これからも、ずっと。

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