谷垣さんにちょっとがっくりしたんだけれども

ヒトラー・ユーゲントナチス党の青少年組織)がヒトラーの演説に賛成しているような印象を受けた」

http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/091026/stt0910262215009-n1.htm

 最近あんまりテレビを見ていなくて、ニュースなんかもそれほど目にしないのだけれども、たまたまこのコメントのところをばっちり見てしまって、なんかがっくりきた。
 いや、がっくりきたって、なんに対してだろう。こんな発言が野党第一党党首からポロッと出てしまうことに? こないだの選挙でネガキャンしまくって失敗したのに、まだこんなこと繰り返す自民党に? だいたいおまえ、生ヒトラーユーゲント見たことあんの? いや、なんつーか、それらがゼロじゃないにしても、谷垣禎一って人に対してだな。
 それじゃあ、俺は谷垣さんに期待していたの? 支持していたの? 好きなの? 愛してるの? というと、なんというか、そこのところは悲しいくらいに薄弱な根拠というか理由であって、「谷垣さんって自転車乗りじゃん」というところに過ぎない。
 我ながら、しょうもない。だいたい、俺自身が、今年からクロスバイクに乗り始めただけの、自転車乗りと呼べるかどうかわからんような人間だ。それが、勝手に政治家谷垣禎一に、自転車を理由に共感を抱く。そのあたり、しょうもない。
 そりゃあ、自民党が第一党に返り咲き、谷垣超総裁が日本の道路という道路を自転車専用道にしたり(自動車は今の歩道を走る)、高速道路を全部サイクリングロードにしたり、クロスバイクしか買えないジャイアンツ(笑)には毎月シマノデュラエースグリースを一個支給するとか、そんな政策を期待しないわけでもないけれども、そんなにグリースばっかりあっても使い道よくわからないし、困ってしまう。
 まあ、こういう共感をなんと呼んでいいかわからないが、たとえば競馬趣味であれば、税金を横領して競走馬買って愛人の名前をつけてしまうような汚職官僚も「まあ競馬好きだし」と許してしまうようなところもあって、わかっちゃいるけど、なんかそのあたり、人間だし、みたいなところもあって。これはなんだろう、自分と同じ趣味人を肯定することで、自分の趣味を、自分を肯定したいとか、そういうところでもあんのかね? 

 でも、べつにこないだの補欠選挙にしたって、谷垣さんだから自民党、ということはなかったな。死ぬとわかっていて共産党に入れたりしたりさ。でも、たとえば、自分の選挙区に谷垣さんがいたらどうかというと、そのあたりは自分の中のあいまいでふらふらして、知識も判断力も欠ける政治性に依拠せず、趣味性にお伺いを立てて、「谷垣に自転車票入れておけ」みたいな判断になるかもしれない。まあ、とくに考えずに芸能人に入れてしまうのと似たようなものだろうか。
 まあ、こんな阿呆が俺くらいならいいけど、どうだろうか、あんがいバカにできない可能性もある。趣味としての共感が強ければ、ある程度の効果は見込めるかもしれない。ただ、「趣味:読書」とか「趣味:音楽鑑賞」ではだめだろうな。もっと仲間感が感じられるくらいマイナーでなくてはいけない。しかし、「プンチャック・シラットに夢中です」とか言っても、今度は共感してくれる可能性のある人の絶対数が少なくてよくない。自転車とか、そのあたりは狙い目かもしれない、今のところ。あとは、twitterやってます、とかか?
 あー、そうか、趣味ばかりではないな。あれだ、たとえば出身校とかもそうだ。あ、思い出した、恥ずかしながら、今から十年前以上の、初めてか二度目か、なんの選挙か忘れたが、単に出身の中高一貫校が一緒だというだけの理由で、自民党候補に入れたことあったな。なんというか、ああ、俺と同じ景色を見てきた人間か、というような、そんなところだ。
 でもまあ、そのころは、俺の暮らしも、日本の景気も、いまほど酷くはなくて、はっきりいって俺は保守だったな。かといって、今、俺は何? というと、かなりよくわからないのだけれども。

 そういや、出身校といえば、こんな話が。

 よくわからないが、はてなの一部に根強く食い込んでいる鎌倉の新市長。この人、ママチャリで選挙区を回ったというけれども、なんという偶然か、その選挙戦、俺は直接目にしたのだ。

 この三浦半島一周の帰り、祖母の住まいを後にして大船方向へモノレール下を走っているとき、すれ違ったんだ。起伏のある湘南町屋あたり。うーん、そうか。若いからあの坂もこなしたか。

 そういえば、先の衆院選でも、小泉進次郎と奇跡的なタイミングですれ違ったら、あんた、彼も当選したじゃないか。となると、俺はどうもあれか、幸運の座敷童みたいなものかもしれない。このあたりで選挙に出る人は、俺にすれ違いに来たらいい。ついでに、いくらか包んでくれたら、この日記でその人格と知性、経歴、情熱を高らかに誉め称えたりする。どうだろう、君の立候補を俺は待ってるぜ

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