映画『制服 百合族』を見て、「百合」について調べる

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 なんか百合成分をもとめたしばらく前、DMMで素直に「百合」と検索して出てきたのがこの映画である。古いロマンポルノやピンク映画も好きなので、とりあえずウィッシュリストに入れた。入れておいて、忘れていたのが届いて、今はとくに百合成分不足していないので、適当に早送りしながら見た。
 で、なんといういうのだろう、「あれ、百合?」というような内容。もちろん、女の子同士も描かれているが、その子らも男の子と絡んだり、おっさんとお姉さんの絡みや、男同士の絡みまで出てきて百花繚乱。まあ、べつになんでもいいんだけれども、こちらが「百合」から思い浮かべているイメージとは少し違った。
 で、解説見たらこんなことが書いてある。たぶんこれ、映画公開当時の解説だろう。今どき「ブッシュ」とかをそういう意味で使ったりしまい。でも、「マン延」や「可愛い子チャン」は夕刊タブロイドあたりで読めるかもしれないぞ。

セーラー服女子高生の間で“レズ”がマン延しているという実態調査をもとに映画化したのがこの作品。ホモのバラ族に対抗して、従来の“タチ”“ネコ”という役割もなく、男ともゲーム感覚でSEXをしちゃうという“バイ”(バイセクシャル)の多い彼女らを“百合族”という。

 まあともかく、こうある。ええ、これが百合族なの? ウィキペディア先生に聞いてみよう。

wikipedia:百合 (ジャンル)

語源は男性同性愛者向けの雑誌『薔薇族』の読者投稿コーナー「百合族の部屋」で、1970年代に同雑誌を通じて男性同性愛者を指す薔薇族の対義語として百合族という言葉を薔薇族編集長の伊藤文學が提唱したことによると言われている。
当初は女性同性愛を指す隠語であったが、1982年にレズ(レズビアン)作品である日活ロマンポルノ映画『制服 百合族』がヒットし、百合族の名を冠したポルノ映画がシリーズ化したことで雑誌など各方面で取り上げられ、女性同性愛を扱う作品のジャンルを指す言葉として知られた(ただし、コミック、ライトノベル、アニメ、同人誌などのジャンルとして広く知られるようになったのは2000年代前半くらいから)。

 強調は俺による。へえ、ヒットしたのか。でも、「男ともゲーム感覚でSEXをしちゃうという“バイ”(バイセクシャル)の多い」あたりはようわからん。だいたい、実態調査ってなんだ。キンゼイ報告か? 街頭淫タビューか? まあ、『制服百合族』(原題『セーラー服 百合族』……「セーラー服」が御法度になったのか?)の解説に事実関係を求めるのは酷か。でも、なんだ、こういう映画を公開するにあたって、こういう解説がつくというような、それは当時の一つの見方というか、そういうものがあったということだろう。

 いや、一つの見方というか、この映画自体が「百合」という言葉を広めた当事者であることは間違いないようだ。その語源となると、はっきりしたことはわからないが、雑誌『薔薇族』内で使われていたものというようなことでよさそう。それが、なんか今はいろいろあって、「コミック、ライトノベル、アニメ、同人誌などのジャンル」として、俺が認識するというようなことになっているのかもしれない。ああ、でも、なんだろう、どうかな、ある種の同性愛を指す「百合」をはじめて知ったのはいつだったろうか、俺は。なんとなく、こういった「ジャンル」としての言葉を知る以前に、たとえば「薔薇族」とセットで覚えていたのかもしれないし、そのあたりはわからん。また、「薔薇」の方が、こういった「ジャンル」を指す言葉になってないというのも、まあ、そりゃそうか、『薔薇族』という本体があるのだものな。しかし、このあたりのカルチャーだかサブカルチャーだかの用語の推移などは、きちんと検証されるべきものであって、考えたところでしゃあないか。
 
 
 えーと、それで、まあ映画について。なんというのだろうか、舞台が鎌倉、湘南、江ノ電とか出てきて、『青い花』かよ! とか思ったり……はしないんだけれども、なんというのだろうね、なんか軽いノリというか、あんまり暗さがないというか、うーん、俺はちょっとパス、みたいな。でも、ラストシーンの、浜辺のとか、そのあたりはよかったと思った。あと、一昔、二昔の女子校生役の女優さんは、今のAV女優さんとかにくらべてあか抜けておらず、やばいくらいに年少というか、リアルに見えることがあると思った。おしまい。