ぼくとちんこの三十年物語

※性的な話を含みます。あと、長い。

1

 今日はいい朝やった。昨日の夜まで雨がふっとって、それが朝には快晴や。ぼくは冬の冷たさと乾燥が好きなんやけど、ほこりっぽいのもきらいでな。雨がぜんぶ流しさってくれて、それで、空がどこまでも青いんや。こんな朝は年に何度もないよ。できるだけたくさん空気吸いこみたいと思うし、そうやって満ち足りながら、出勤してきたんや。
 そうしたら、街に近づいてきてな、これも珍しい光景やないんだけれどもな、歓楽街のきれいなおねーさんがタクシー待ちとかしとるんや。したら、ぼくそういうのの免疫ないから、ドギマギしてしてしまうし、思わず目が行ってしまうのです。あかん、さっきまでの清浄な気持ちはどこに行ってしもうたんや。まったく、そういうもんやな。

2

 同い年の友だちに柴田くんいうのがいて、幼稚園のころやった。柴田くんには三つくらい上のお兄さんがいて、よく遊んどった。
 ある日、ぼくのうちだったと思うけど、みんなでなんか戦隊物の特撮を見ておった。それで、画面に悪い組織の女幹部の人が映ったんやな。作ってる人らの趣味かわからんが、女幹部はだいたいエロい格好しとるやんか。そのころはそんな言葉しらんけれども、ボンデージいうようなやつ。
 それで、柴田くんのお兄さんが言いよるんや。「なあ、えろいもん見たり、好きな女の子と考えたら、ちんこが立ちよるやろ?」ってな。
 ぼく、長年のというても、意識がめばえてから間もないころなんやけれども、「ああ、そういうことやったん」と思った。ちんこが立ちよることは気づいとった。ただ、その理由もようわからんかったし、なんやこいつはと思っとった。そうか、女に関係あるんや。まあ、でも、どうしてちんこが立ちよって、なんのためにそうなっとるのかとかは、まだまだ知らんのやけれども。

3

 それでな、ぼくは幼稚園のころから、好きな女の子の裸とかを思いうかべて、ちんこを立たせたりはしておった。まわりの男の子がどうしとるとかしらんかったし、しらんでもええと思った。そんで、べつに親に話したりもせいへんし、する必要もないと思った。ただ自分だけの楽しみやし、とくになんとも思わんかった。
 そのころのぼくの部屋は、説明するのはむつかしいんやけれども、ドアがなかったんやな。それで、階段のよこの壁みたいなのが、途中までしきっとるんや。その壁際に二段ベッドがあって、ぼくは上の段に寝ておった。
ある日の朝やったな。ぼくは半分おきて、半分ねてるようなときやった。はたから見たら寝ておった。毛布とかはかぶってなかったんやけれども、ちょっと寒いから股に手をあてがっておったんや。
 そうしたら、横に起きてきた父さんと母さんが通りかかってな、父さんが「わし、ガキのころちんこ立ったかな?」言いよる。したら、母さんが、「昔とは栄養とかが違うんじゃないの」などと言う。
 まあ、わざわざむくり起きて、「今はちんこ立ってないで」と主張してもしゃあないから、そのままうとうとしとった。それでな、朝おきたときにな、わけもなくちんこが立っとるのも、まあふつうのことなんやろって思ったんや。

4

 しかし、へんな話といえばへんな話やで。ぼくが立つんやないのや。ちんこが立つんや。だいたい、なんかそこからして手や足とは違うもんや。手や足が意に反してな、痺れたり、痛かったりすることはある。でも、よほどのことがないかぎり、意に反して勝手に立ったり座ったりはせいへんやろ。
 だいたいにして、柴田くんのお兄さんに話を聞いたときもな、「こいつはそうなんか」って、ちんこはどうもぼくから切りはなされたべつものみたいな気ぃすらしていた。ぼくに属しておらんもののような感じや。ほかのだれかがどう感じているかはわからんが、ぼくはそう思っている。
 そうやね、『ちんこのつぶやき』、略して『ちんつぶ』いう漫画あるやんか。まあBL漫画の極北いうふうに言われとるけど、あれ読んだときに、「そうや、ちんこいうんは一個一個人格つうか、ちん格があるんや」とか思ったもんや。いっそのことな、ああいうふうにちんこがしゃべったりしてな、「まあ、君の要求もわかるがな、小遣いいうもんのかぎりもあってな、これ以上エロ本よう買えへんわ」、「なんや、もうあのおかずには飽きたで!」みたいに、ときどきお互いの意見をぶつけてみてもええんかと思う。
 まあ、じっさいにちんこはツイートせいへんのや。しかも、まあ、はっきりいって一心同体というか、二心同体みたいなもんや。それにな、『寄生獣』いう漫画あって、寄生獣のミギーが本体とまざっていって、主人公の新一くんの思考にまで影響するやんか。ああいう感じでな、「あれ、今、ぼくというものはちんこなのやろか?」みたいになるときがある。なんかむらむらしてきてな、部屋で昔のエロ本ストックを漁っていたりな、インターネットでエロ画像漁っていたりな、そんなときはもう、ぼくの本体どこにある言うたら、ちょっと脳でも心臓でもなく、ちんこやないかと思うし、乗っ取られとるなあって感じるんや。

5

 話が先に飛びすぎたみたいやの。精通いうもんを迎えるわけであって、ヰタ・セクスアリスいうたら、そこが一つの山場みたいなもんや。だけれどもな、まあえろいもん見ながらなんかいじっとったら出てきたんや。それだけやな。
 ああ、けどな、最初のそれのな、一番の衝撃はなんか汁が出てきたことやないで。頭が真っ白になって、ぐらんぐらんするやんか。気を失うような、そんなんや。立ちくらみのひどいのに似ているいうたら似ておるかもしらん。それにびっくりしたしな、まったく虜になってしまったといってもええで。動物実験で、ネズミとかサルとかの脳味噌の、なんや快楽を刺激するところに電パチしたりするやろ。そういう感じに近いかもしらんで。
 ほんでな、そんな衝撃いうか、快楽やな、覚えてしまったら、もっともっととなるわけや。思えば、これがちんこの狙いでな、精通と同時に脳に進入してきたのかもしれへんで。
 でもな、そんなすごい射精の衝撃いうのは、毎回毎回味わえるわけやないで。それはすぐに気づくんや。滅多にないというか、まず無いことや。だから、少なからずの男がな、日々もっと気持ちいいオナニーはないかと血眼になってな、いろいろな研究開発しとるんや。なに、それにオナニーに限らんかもしらん。シャブを打ってセックスするとやめられへんちゅうのも、あんな脳味噌への衝撃をずっと長く、たくさん味わえるからやと想像するわ。

6

 それにしても、「少なからずの男」なんて言ってしもうたけれども、ぼくもほかの男連中がそれぞれちんことどんな風につきあってきたかいうこと、よう知らん。
 ぼく、中高と男子校に通ったけれども、なんというのやろ、ようむつかしい言葉は知らんが、ホモソーシャルな? そんな感じの関係みたいなのはあまりなかったんや。そりゃ、つるんでエロ漫画買ったり、エロビデオの貸し借りくらいはしたけれどもな、あからさまに自慰について語り合ったりみたいな、そういうことはなかったんやな。ぼくのつるんでおったのは、草食系だかオタク系だったのかもしらんね。
 それで、ぼくはこういう話をするときに、主語に「男は」って使いたくなることあるんやけれども、自制というか、「こんなすけべなのぼくだけかもしらん」というところもあって、なかなか使えへんのや。
 けれどな、まあなんというかな、平均というか、中央値というか、最大公約数というか、なんやわからんけれども、それぞれにいろいろ違うても、なんやまあ「わかるわ」言えるような、そういうところは、ある一定のサイズで存在しとると思う。もちろん、そこに入らん人もいる。ぼくは、ややストライクゾーン広すぎるところにいるかもしらんけれども、性嗜好もふくめて、それなりにその範囲に入ってるんじゃないかな、とは思う。まあ、なんや、2chの思い出エロ話とか見ておっても、まあそんなもんやろう、とかな。あとは、まあ一般的にえろいとされているものにも、えろいなあというふうに思えるケースが多いわけやしな。

7

 セックスの話となると、またこれは照れくさいところがあって、書きにくいのんやけれども、まあ今日ぼくの口調がおかしいのも、そのせいだと思うてくれてええんやけれども、まあそういう話もあるわな。
 それでな、セックスのときにな、やっぱりもう、これはちんこにとって最大の獲物いうか、餌やんか。だけれどもな、感動的にな、ことを終えたあとはな、なんや、ほれ、ちんこめ、これはもうハートの方がおもしろいやんか、ことが終わったと、おまえくてっとしとるけれども、ぼくは楽しいわって、そんなふうにちんこのこと見ておったな。
 でもな、やっぱりちんことわしは切っても切れぬもんやで。いや、切ったら切れると思うけど、痛い想像させんといてな。それでな、ときどき、終わったあと、くてっとしておって、ぼくもくてっとしておると、女がそれをみて、「キャハハー、まったく同じ姿勢で寝とる。相似形や」などと言いよる。

8

 ちんこのこと「息子」言うやろ。まあ、息子みたいなもんかもしらん。というても、ぼくは一般的な意味での子供はいないからわからんが、そんなところもある。どっちが主体かいうとわからんときもあるが、やっぱりぼくが親やろう。保護者の責任もあるわけや。ちんこが粗相したら、ぼくが責任とらにゃあかん。まわりから見たらぼく一人やけれども、まあ、ぼくの中では連帯責任なんやと思う。
 そういう面で、ぼくのちんこは、まあ人並みかちょっとそれ以上にすけべかもしらんが、それほど困ったちんこでもないよと、そう思う。世の中のちんこの中には、ほかの人をじっさいに傷つけなきゃ満足しないようなやつもいるだろうし、たまたまその持ち主になった人はたいへんや。たまたまそうなったことには同情するわ。
 でも、やっぱりそこは連帯責任なんや。「ちんこが」いうても、まあ大多数の持ち主が、なんとか折り合いつけとって、それで、そうできなかったですとなって、誰かを傷つけたら、まあしゃあない、罰は受けねばならんのや。
 けれどもな、まあやっぱりそういうたら、そういう人がそのままほっとかれておいていいかというか、そうなりそうな人がそうするまでほうっておいてええかとなると、どうもそれもかわいそうや。世の中にはいろんなちんこがあってな、まあ生まれつきというとどうかわからんし、生育してきた状況とか環境とか体験とかいろいろあるやろうけれども、なんというのだろうか、いろいろな選択肢があって、「おれはこの強姦でしか満足できない嗜好をえらぶぞ」とか、そんなふうに選んだわけやないのやと思う。
 ぼくだって、自分のな、この、まあ今のところ常識の範囲内に入ってるやろうか、まあ、おまわりさんに捕まったりはしないような性嗜好なのは偶然やし、ある日法律が変わって、単なる自慰が罪になってな、自分にとってすごく変で、とてもじゃないが立たないような方法でしかそれが認められんってなったら、そりゃ禁をやぶってするかもしらん。あるいは、もうなにか去勢のような方法をとって、ちんことさよならするしかないかもしらん。
 ぼくにとっての性欲というのは、そのくらい強いものだし、もしその嗜好いうか指向がどっか変なところに向かっておったら、自分とてどうなっておったかわからんと思う。だから、たまたま社会と折り合いのつかん方向、強度の性嗜好いうか指向を持ってしまった人にはな、なんやなかなか難しい話になるとは思うが、それを矯正というとなにやら怖いし抵抗もあるけれども、なんや折り合いつくような方法とか、治療というとまたなんだけれども、あらかじめどうにか道を作ってやるくらいのことはすべきやと思う。

9

 これは、性に限らんことで、なんというのやろうか、やっぱりどうもなんというのか、犯罪志向の強い、などというとどうかと思うけれども、ナチュラル・ボーン・キラーのような人がいるとしたら、やっぱりそれはまず、彼とて好きでそうなったとは限らんというか、そのような前提から、隔離というか、そういうものを考えなきゃいかんと、そのように思う。
 もちろんな、これはまたいろいろ前後の問題というか、罪を犯す前か後かというところもあってな、やっぱりぼくが頭の中でな、なんかそこ歩いてる女の人についてえろい妄想しとったりして、それを脳内スコープで覗かれてな、「ああ、こいつは犯罪者や」というて捕まったらたまらん。また、現実的には犯罪やろういう内容のポルノ見てな、「ああ、こいつは犯罪者や」いうて捕まってもおもろない。内心というか、ちんこ込みの内人体みたいなところは、自由にさせてくれ、思う。でもな、これでいくと、予防はできへん。ようわからん。
 まあ、この意識をもって、性犯罪者に同情的すぎる、男の暴力性やらに同情的すぎるいわれたら、まあそうなのかもしらん。ぼくは、人間の共感というのは、なにか弱みみたいなところにつよく生じるような気がしてな、性に限らず、あらゆる罪というのは、やっぱり人間の強さいうより、弱さみたいなところから生じるもんやと思うて、「あれは罪人、悪人、愚か者。わしは違う」みたいな、そんなところによう立てへん。ぼくにも盗みたい弱さ、いじめたい弱さ、えろいことしたい弱さがあって、人の罪はそこに響くところがある。
 あんまり、個々の事件や犯人について、それを表明することはいけないことかもしらん。被害者のつらさに反したりするし、ますます傷つけたりことになるかもしれないからだ。でも、ぼくは、内心、全員に無罪判決して、それぞれがそれぞれに自由に、また誰の自由も阻害せず、よろしくやっていければいいなって、そんな夢想が根本にあって、たぶん偽善者であって、偽悪者であって、まがいものの悪人のなりそこないなんやと思う。

10

 まあしかし、科学技術の進歩というものはちんこの進歩とは比べものにならんほど早いものやし、将来どうなるかわからん。だいたいにして、ぼくも「べつに今はちんこいらんやん」と思うようなときだってある。今朝、道をあるいとるときに、べつにちんこいうか、性欲いらんし、あんまり乗らんけど、満員電車とかでな、ちんこあったらこれはもう邪魔というか、危険物みたいなものかもしらん。言うこときかんこともある。
 だったらな、もうちんこはどっかコインロッカーみたいなところに預けてな、必要なときにな、エロ本買ったとか、彼女とデートしますとか、今夜はイエスノー枕のイエスです、みたいなときにな、引き取りに行くんや。申請書に用途とか書いてな、72時間以内にお返しください、みたいなな。したらたぶん、ちんこついてない間は、あんまりそういうことしようって気にもならんやろうし、けっこうみんな落ちつくかもしらん。でも、逆に落ちつかんで、よけいなことするかもしらん。そこはようわからん。
 しょうもない妄想や。だけれどもな、古代の聖者がな、ちんこを石でつぶしましたみたいな話があるとな、とても自分には真似できへんけれど、もし一生をかけてなにかを追い求めようとか考えたらな、そりゃ性というかちんこは邪魔やろうなと、ちょっとわかるようなところはあるんや。
 性欲というか、そういう欲望がな、人類の文明やら文化やらをつくってきた、みたいな話はあると思う。でも、逆に損ねてきたものかてあるんやないかってそうも思う。それはもうわからん話やろう。ただ、男には、いや、少なくともぼくにとっては、なんや自分のちんこが邪魔くさいというか、いらんやろって思うときがある。
 いや、ひょっとしたら、ない方が楽なんじゃないかって思ったりもする。だいたい、自分でもこんなにエロ本やエロDVDいらんのやないか、と思うこともある。蓮舫さんみたいのが来て、「同ジャンル、同女優に一枚ずつでいいんじゃないですか?」とか「あからさまに使用されていないものがありますが、保管しておくコストは必要ですか?」とか言われたら、まあその通りやな、と思ってしまう。でも、土下座して「許して下さい」って言うわ。

11

 だいたいにして、こう考えとっても、物体としての、器官としてのちんこと、性欲とか、性嗜好とか、形になっていないものが、ごっちゃになってもうた。ひょっとしたら、ちんこと関係なく、脳のなんやどっかのシナプスさんのな、そこらへんの電気と化学物質のせいであってな、ちんこのせいかどうかわからんのや。でもな、まあぼくの足と足の間にぶらさがっとるこれにな、まあ人間の心が心臓にある、みたいなアナロジー的な意味でな、とりあず責任をおっかぶせてしまったところもあるかもしらん。
 まあ、しかし、こんなんぼくのことにすぎんし、どうしたもんかわからん文章や。ただな、ちょっとひとつだけ思うのはな、こういう話をな、どちらかといえば、女の人に読んでほしいかもしれない、というところはあるんや。
 ぼくな、二十歳年上の女性とつきあってるんやけれども、あんまりちんこのこと知らへんのや。彼女はな、恋愛、結婚、出産もしてな、人生経験ぼくよりずっとあるんや。でもな、あんまりよう知らん。いや、すけべな意味ではないで。たとえば、疲れマラいうて、疲れてるときなんか立ってしまうとかな、玉袋をうっかり踏みつけられると、息ができないほど痛くなるとかな、まあ下らん話やけれども。なんかあけすけな関係なところもあって、そういう話をすると、いちいち驚くんや。
 逆にぼくは、女の人の身体のことようわからんし、仕組みは聞いても、まあ生理がどんなんやとかようわからん。それとな、女性の性欲が男の性欲と、というとまた主語が大きいのかもしらんが、まあお互い、それはどうもまったく違うようだというのがわかっても、じゃあ女性の性欲がどんなものかというのは、ぼく、女性の身体にならなければわからんように思う。逆に、このちんこさんとのつきあいについては、彼女が生やさんと、まあわからんやろうと思う。

12

 ただ、わからんわからんいうてもしゃあないし、人間には言葉あるし、なんや違うか、違うみたいやねって、そこらへんからな、もちろん、伝わらんところもあるが、とりあえず、そこんところがあってええやろうと。ちんこのこともわかってください、と。
 でも、たぶんその、器官の仕組みいうか、そのあたりとかあって、また、性器以外の身体の差もあってな、まあどちらかというと、たぶん、男の方が女に迷惑をかけるパターンが多いやろうと思う。だからな、「ちんこのことわかってください」というても、することなすこと認めて下さい、我慢して下さいいうんじゃなくてな、まあ、なんかあいつら変なもんぶら下げとるわ、と、そんくらいでええんです。
 それでね、これ読んだ、まあ、男の人にもな、「なんや、こいつとこいつのちんこは異常や。これはノーマルやないで」というのなら、自分のそれを語ればええ。もちろん、女の人が「女の性欲はこんなもんや。まんこのつぶやきや」というのを語るのもええ。また、「男」や「女」いうても、なんやぼく学がないからいまだにジェンダーとかセックスとかわからんのやけれども、人間は男女二元論なんて狭苦しいもんやなくて、ものすごいいろいろあって、いろいろの人が語りたければ語ったりしていって、そんなん読んで「こんなんあるんか」みたいなのが増えれば、まあええんやないかと思う。まったく知らんというよりはええと思う。
 だからまあ、ぼくはなんかの学問の学者でもないし、調べ物をしたわけでもないし、これはなんというか、日記というか、個人的な思い出話と思いつきにすぎんわけや。それに、ぼくも性のことはようわからんことだらけで、たぶんこれで誰かを完璧に無視しとったり、ひどい方法で傷つけたりするやろうけれども、まあぼくとぼくのちんこはこれこれこのようなものだと、こんなんで三十年生きてきて、これこれこの程度の人間が考えるのは、そういうあたりなんや。あんまり背伸びしてもわからんし怖いし、でもまあいちおうこんなん書いて晒しておくから、読んだり読まなかったりしてくれたらええわ。それじゃあな。

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