テキサスバーガーを喰う

テキサスバーガーを買う

 俺はマクドナルド大好きなマクドっ子なのである。テキサスバーガーといわれればほいほい買いに行くのである。プリントアウトしたクーポンを持って。そう、iPhoneにしたら、ケータイクーポンが使えなくなる。HPクーポン画面を見せれば通用する場合もある、などという話もあるが、巨大産業と無駄な軋轢を起こす気はない。俺は中国人の店員にこう告げる。
「このクーポンと、単品でハンバーガーひとつ、持ち帰りで」
 「お飲み物はなにになさりますか?」
「ホットコーヒー」
 「810円になります」
「なりましたか」
 「はい」
「少し高く感じる」
 「そんなことは存じ上げません」
「こんな会話をしたおぼえもない」
 「まったくその通りでしょう」

テキサスバーガーを喰う


ТОВАРИЩ Хрущёв(Лево)
 テキサスバーガーは、ビッグマックのように箱入りではなかった。広げて出してみる。高さを感じない。そう、テキサスは荒野だ。荒野なのか? 忘れてしまったのか、あのグアダルーペの峰を。
 食べてみる。食べ終わった。俺が牛丼やハンバーガーを食べる早さというのは、このような具合である。味はどうだったか。肉はどうだったか。食べるその瞬間すら認識していないので、すべては追憶でしかない。
 ……肉は厚みを感じず、横に広かった。ややぱさぱさしているところがアメリカンかもしれない。上にケチャップっぽいソース、下に黄色いなにかが挟まっていて、何らかの味を演出しようとしていた。そのように思う。たぶん、そのように。

参考:桜木町の「バビーズ横浜」の肉を挟んで食うにはどうしていいかわからない何か
 ようするに、チェーン店でないハンバーガー、海軍バーガーだとかそういった類のバーガーを、マクドナルドのフォーマットのようなもので再現してみようという、そのようなものと感じた。このテキサスバーガーの挟まっているものを二倍にすれば、それなりのご当地バーガーのようになるやもしれぬ。やってみる気はない。そういう話だ。俺はテキサスを知らない。ダイワテキサスなら少し知っているが。

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